燃料タンクで敵の弾を防ぐ…? 戦車や装甲車でそれが有効である納得の理由!

どのような兵器であれ「燃料タンク」といえば弱点のひとつといえそうですが、一部の戦車や装甲車では、これを防弾に活用しているといいます。冗談のようなお話ですが、フタを開けてみれば、そこには納得の理由がありました。

同じ燃料でもこんなに違うガソリンと軽油

 燃料タンクを防弾に使えるのは軽油燃料だけです。ガソリンと軽油は同じ燃料ですが、物理的性質はまったく違います。

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ソ連/ロシアのBMP-1歩兵戦闘車を後方から。後部兵員室ドアの膨らんだ所が燃料タンク(画像:ロシア国防省)。

 ガソリンは揮発性が高く(-40度以上で気化する)、通常の気象条件であればちょっとした火気ですぐに爆発的に引火します。一方、軽油は直接マッチを近づけてもすぐには引火しませんし、着火しても爆発的な燃焼にはなりません。つまりガソリンタンクに被弾して燃料が漏れ、引火すれば爆発炎上して致命傷になるのに対して、軽油タンクであれば燃料漏れを起こしても着火するとは限らず、燃焼しても爆発的な炎上とはならないため、致命傷になる可能性はガソリンより低いということなのです。

 そのようなわけで、現代の戦車は全て軽油を燃料とするディーゼルエンジンを使用しています。日本やソ連は戦前からディーゼルエンジンを使用していましたが、ほかの国の戦車は第2次世界大戦末までガソリンエンジンが主流でした。ガソリンの入った燃料タンクは紛れもなく戦車の弱点で、防弾に使うことなどあり得ません。

 一方、軽油の燃料タンクは爆発の危険性はありませんが、防弾に使う必然性もないように思われます。ところが、先にも紹介したように、液体が防弾に一定の効果があることは知られており、そして狭い戦車にわざわざ水タンクを設けるような余裕はありません。必ず積まなければならない液体と言えば燃料、というわけで、燃料タンクを防御に使うというのは、防御力補完と燃料積載量を増やす一石二鳥の妙案でした。それだけ戦車の設計というのはギリギリに「詰めた」ものなのです。

【画像】ホントにいちばん前 「メルカバ」の燃料タンク周辺断面図

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コメント

2件のコメント

  1. へー、M1エイブラムスってディーゼルエンジンにしたんかぁ(遠い目)

  2. M1と同世代の旧ソ連のT80系もガスタービン。まだ現役の国もたくさん

    M1は軽油も使えなくはないらしいけど普通ガスタービンはジェット燃料(ほぼ灯油)

    灯油がガソリンよりは引火の危険がマシのは同じではあるけど。

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