残っているのが奇跡? 鉄道の交差点ダイヤモンドクロッシング 名古屋のミニ路線になぜ

車両輸送で必要 でも不定期だからそのまま

 ほかにも名鉄築港線は、鉄道の車両輸送(甲種輸送)においても重要な路線となっています。たとえば名鉄や名古屋市営地下鉄などで使用するために新造した車両を、遠方の工場からJR東海道本線経由で運んでくる場合のルートになっているのです。

 東海道本線から車両を名鉄線に入れる際、笠寺駅から名古屋臨海鉄道を経由し、先ほどのダイヤモンドクロッシングを通過したのち、連絡線を通って名鉄築港線に入ります。そして、大江駅を経由して名鉄および名古屋市営地下鉄の各線へ運ばれていくのです。

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名古屋臨海鉄道東築線。不定期の貨物線であるため、踏切には遮断機がない(2021年4月、柘植優介撮影)。

 とはいえ、名古屋臨海鉄道東築線は定期的な貨物輸送に用いられている路線ではなく、また名鉄築港線も朝夕の計9時間(土休日は8時間)以外は定期運行がないため、立体交差などに改良する必要もないのでしょう。ないと困るが、頻繁に使うわけではない。そういう理由から、ダイヤモンドクロッシングが残っているようです。

【了】

【写真】激レア「ダイヤモンドクロッシング」&築港線を写真でチェック!

Writer: 柘植優介(乗りものライター)

子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。

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