旧陸軍も後押し 関門トンネルはなぜ戦時下に完成を急がれたのか 背景に壮大な計画も

本州と九州を結ぶ「関門トンネル」は、世界でも最初期の海底トンネルで、戦時中に完成しました。戦時中にどうしてこのような大掛かりな公共事業が続けられていたのか、実はその戦争にこそ大きな理由があったのです。

戦時中にアメリカ軍は関門トンネル破壊を検討していた!?

 上下線のトンネルが開通した1944(昭和19)年7月は、太平洋戦争における日本の敗色がすでに濃厚になりだしていた時期で、サイパン島を喪失し、本土空襲の危機感も高まっていました。

 本土空襲が始まると同時に、日本列島の島々を行き来している連絡船も狙われるようになり、さらにアメリカ軍の「飢餓作戦」とよばれる機雷による海上封鎖作戦で、日本の海上輸送力は極端に低下します。そこで重要な地位を得たのが完成したばかりの関門トンネルで、本州と九州間の石炭や物資、さらに兵員や兵器の輸送を比較的、安全に行うことができました。

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関門(鉄道)トンネル下り線トンネルの掘削現場(画像:鉄道省 土木建築工事画報1939年1月号「関門海峡連絡隧道工事図譜」/Public domain、via Wikimedia Commons)。

 連絡船の機能が麻痺するなか、物資を運び続ける関門トンネルをアメリカの陸軍航空軍も日本における最も重要な攻撃目標と位置付け、B-24爆撃機に搭載した遅延信管をつけた爆弾での爆撃も計画されていました。また、予定していた南九州上陸作戦を支援するために、日本船に偽装した救助船に爆薬を積んで関門トンネル付近に沈め、リモコンで爆破するという作戦計画もあったそうです。

 幸い、爆撃や爆破作戦の準備をしている内に戦争は終結となり、関門トンネルは壊されることなく、現在も運用されています。戦時中は本州と九州をつなぐ生命線となり、戦後も日本の交通網における要所のひとつを担った「関門トンネル」で得たトンネル掘削のノウハウは、戦後日本の土木技術向上に大きな力となりました。

【了】

高いところが苦手な人は閲覧注意 関門橋主塔上部からの眺め

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ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

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コメント

1件のコメント

  1. トンネルポータルさえ爆撃すれば簡単なような気もしますが奇跡的にやられなかったのですかね。青函トンネルの軍事的価値を叫ぶ人もいましたが、出入り口には警備員が一人いたかいないか…近くに地対空ミサイル陣地なんて無さそうだし…

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