欧州トラック大手3社がEV充電インフラ構築で合意 大型商用車向けに少なくとも1700か所【Merkmal】

各社のプロフィール

 ボルボの乗用車部門であるボルボ・カーズは、中国の民営自動車会社である吉利汽車集団(英語名:Geely Auto Group)が買収し、現在は同社の子会社として運営されているが、ここでいうボルボグループは、トラック部門を中心とした公開企業のことで(筆頭株主は吉利汽車)、トラックのほか、バス、建設機械、船舶および産業用電力ソリューションなどを事業として展開している世界有数の商用車メーカーだ。

 トライトングループは、大型トラックのブランドとして知られるScaniaやMANなどを傘下にもつ世界的な商用車メーカーで、小型商用車やバスなどにも事業展開している。

 ダイムラートラックもご存じの通り世界トップレベルの商用車メーカーである。CO2削減に関しては、2039年までにヨーロッパ、日本、北米で販売車両のCO2ニュートラルの実現を目指している。

各社のコメント

 ボルボグループの社長兼最高経営責任者であるマーティン・ルンドシュテット氏は、「この取り組みは、ヨーロッパの充電ネットワークを創設し、電動化への変革を成功させるために必要な基盤を築くものです。我々の先進的な電動化技術をもって、ダイムラートラック、トレイトングループとともに、そしてEUのグリーンディール、さらには業界全体からの理解と政治的環境をもって、持続可能な輸送とインフラの構築に向けて本質的な進化を進めていきます」と表明している。

 ダイムラートラックのマーティン・ダウムCEOは、以下のようにコメントしている。「2050年までにCO2ニュートラルを達成することは、ヨーロッパのトラックメーカーの共同の目標です。そして、適切な充電インフラを構築することは、CO2ニュートラルなトラックを販売することと同様に重要なことです。ボルボグループおよびトライトングループと協力して、この先駆的な一歩を踏み出し、ヨーロッパ全体に高性能充電ネットワークを確立できることを非常にうれしく思います」

 トライトングループのマティアス・グランドラーCEOは、「トライトングループにとって、輸送の未来は電動車にあることは明確であり、長距離の大型貨物輸送のための充電ネットワークの迅速な構築が欠かせません。私たちは今、持続可能な輸送への移行の第一歩を踏み出しました。そしてこの次のステップでは、ヨーロッパ全体の充電ネットワークの構築に対するEUの強力な関与が求められるでしょう」とコメントした。

【了】

提供:Merkmal
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Writer: 佐藤耕一(フリーライター)

自動車ニュースサイトの副編集長を経て、IT企業でOEM/Tier1とのビジネス開拓に従事したのち、フリーライターとして独立。現在、EVや電動車、自動運転などの領域を中心に国内外での取材・執筆・レポーティングを行う。YouTubeチャンネル「ライターサトー」更新中。

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