岐阜基地にしかないF-2「青いプロトタイプ」の正体とは 派手でも迷彩でもないワケ

機体が青白に塗り分けられている理由とは

 飛行開発実験団所属のパイロットによると、F-2の102号機の上面が青い理由、それは洋上迷彩をテストするために施されたからだといいます。F-2の前に開発されたF-1戦闘機はASM-1空対艦ミサイルを用いた対艦攻撃ミッションも運用任務に含まれていたものの、機体のカラーリングは内陸部を飛行する際に目立たないようにする、緑や茶が主体の迷彩でした。

 しかし、F-1の迷彩では海上では目立ってしまうため、F-2はF-1と異なる迷彩が施されることになり、いわば102号機の青色塗装はその試作とのこと。まず青一色で試行したのち、その結果をもとに量産機がまとう濃淡2色の洋上迷彩が生まれたそうです。なお、下面が白いのは迷彩ではなく、試作機だからだといいます。

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上面が青、下面が白というカラーリングが施されたF-2の102号機(2021年4月、柘植優介撮影)。

 102号機が担うおもな試験は、主翼の下に搭載する各種武装を投下する際の分離特性のテストなどだといいます。そのときに下面が暗い色だと、カメラで撮影した際にコントラストの問題などから認識し難くなる恐れがあるそう。そこで、あえて白く塗ることで明るく映りハッキリわかるようにしているとのことでした。

 このような任務を102号機は担っていることから、機体の各部にカメラが設置されており、それもまた特徴の一つとのこと。これは機体に近づかない限りわかりませんでした。ちなみに同様のカメラはコックピット内、操縦席後部にも設置されており、コックピットから機外、おもに主翼を撮影できるようになっていました。

【唯一!】F-2の試作4号機でしか見られない機外カメラ

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コメント

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2件のコメント

  1. 他の戦闘機とのステルス塗装の差を調査中では?
    それとも単なる撮影機かな

  2. いつも興味深い記事をありがとうございます。
    本文、2ページ4行目のASM-1は"空"対艦ミサイルではないでしょうか?