かつてない規模! 30年ぶりの陸上自衛隊演習「陸演」なぜ今? 陸自OBが推察する訓練の背景

サイバー戦対処も含まれるかもしれない訓練内容

 出動準備訓練は、有事を想定した「出動までの準備」を訓練するもので、必要となる武器や弾薬、車両などの各種装備品を駐屯地内の一角など、指定された場所に集積します。また、隊舎執務室などにある秘密文書の移管要領なども演練することになるでしょう。

 機動展開等訓練では、たとえば海上自衛隊の輸送艦に陸自部隊を乗せてどこかへ上陸する訓練や、航空自衛隊の輸送機からパラシュート降下したり、在日米陸軍のヘリコプターを使って空中強襲(ヘリボーン)したりといったことなどが行われると考えられます。

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着上陸訓練を行う“日本版海兵隊”こと、水陸機動団のAAV7水陸両用装甲車(武若雅哉撮影)。

 兵站・衛生訓練は、陸上自衛隊の後方支援体制を訓練するものです。兵站については陸上自衛隊の物資調達や補給整備の総本山といえる存在の補給統制本部を筆頭に、全国の補給処が様々な後方支援部隊と連携して、弾薬や食糧、燃料、被服、予備部品など部隊が行動するにあたって必要となる各種補給品を集め、トラックなどで指定された場所まで輸送します。これについては、在日米陸軍が保有する輸送船での海上機動が実施されるかもしれません。

 衛生については、自衛隊医療の中心的存在である自衛隊中央病院を始めとして、全国の自衛隊病院、そして各地の衛生科部隊などが、野外手術セットを展開して病院を開設する、といったことを訓練します。この場合、ヘリコプターによる緊急患者搬送やトリアージ訓練なども行うと推察されます。

 システム通信訓練では、陸上自衛隊最大の通信専門部隊であるシステム通信団を筆頭に、広域展開する部隊間の通信インフラを構成したり、その末端、最前線部隊まで細分化された通信網を構築したり、はたまた広帯域多目的無線機を活用した大容量のデータをやり取りするといった訓練が行われると考えられます。

 加えて、海上自衛隊や航空自衛隊のシステム通信部隊と協同して、陸海空の垣根を超えた通信訓練も想定されるほか、サイバー戦の専門部隊であるサイバー防護隊などによるサイバーセキュリティ対策に関する訓練も行われるでしょう。

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