かつてない規模! 30年ぶりの陸上自衛隊演習「陸演」なぜ今? 陸自OBが推察する訓練の背景

実は初めてじゃない自衛官10万人動員

 ちなみに、30年振りの大規模演習とはいえ、自衛隊は10万人規模の実任務を東日本大震災で経験しています。このときは、陸海空自衛隊とアメリカ軍の統合ミッション「トモダチ作戦」としても活動しましたが、今回の「陸演」も支援部隊として海空自衛隊と在日米陸軍が名を連ねていることから、過去の実績を反映させたものと考えられるでしょう。

 東日本大震災は突発事態であったため、現場には多くの混乱が発生したものの、津波で壊滅した仙台空港を数日で復旧させるなど、陸海空自衛隊並びにアメリカ軍の即応対処能力は極めて高いものでした。このような能力は、日本人からすれば頼もしいものであり、逆に敵対する勢力からは脅威に感じ取れるものと言えます。

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陸上自衛隊第1ヘリコプター団に配備されている輸送機V-22「オスプレイ」(武若雅哉撮影)。

 なお、こうした大規模な訓練ですが、外国に目を向けてみると、ロシアでは約20万人、韓国では在韓米軍を含めて合計20万人規模の演習を行っており、世界的には決して珍しいものではありません。

「陸演」の本質は、隊員約10万人、車両約2万両、航空機約120機を動員し、約2か月間に渡ってミッションを継続できる能力を陸上自衛隊は持っているんだということを、国内外に向けて証明する点にあります。

 今回の「陸演」は実施規模があまりにも大きいため、全容を掴むことは難しいですが、11月下旬の演習終了までのいずれかで、いつもとは違う陸上自衛隊の動きを見ることができるかもしれません。

【了】

【もしかしたら見れるかも?】自衛隊のおもな装備

Writer: 矢作真弓/武若雅哉(軍事フォトライター)

2003年陸上自衛隊入隊。約10年間勤務した後にフリーフォトライターとなる。現場取材に力を入れており、自衛官たちの様々な表情を記録し続けている。「SATマガジン」(SATマガジン編集部)や「JWings」(イカロス出版)、「パンツァー」(アルゴノート)などに寄稿。

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