「オール2階建て列車」はなぜ生まれ、消えていくのか 誕生30年を前に相次いで引退
寝台列車や団体列車用の客車を除き、間もなく国内から「オール2階建て列車」が引退します。定員増をウリにした車両はなぜ消滅するのでしょうか。その独特な構造ゆえのデメリットもありました。
当然だが2階建てにすればそれだけ定員は増える
2021年はオール2階建ての列車が相次いで引退する年となります。3月にはJR東日本の215系電車、10月には同社のE4系新幹線「Max」です。平屋建てが一般的で、2階建てはグリーン車など一部にとどまる日本の列車において、「オール2階建て」とは何だったのでしょうか。
JRで初のオール2階建て列車が登場したのは1992(平成4)年4月、東海道線の215系でした。当時は郊外にも住宅開発が進んでいた頃で、長距離通勤者の「追加料金を支払ってでも必ず座って通勤できる」という需要が増加。2階建てにして座席数を増やすと、定員は従来車両の約140%にもなり、首都圏の通勤ラッシュ輸送に寄与しました。
1994(平成6)年7月に登場したのはE4系の前身、E1系新幹線「Max」です。一部の2階席に6列席が設けられるなど、新幹線ながら215系と同じく通勤輸送に力点が置かれた車両でした。間もなく引退するE4系もE1系のコンセプトを受け継ぎ、1997(平成9)年末から量産されました。
初登場から30年弱が経つオール2階建て列車ですが、広く普及したとはいいがたいでしょう。事実、E4系を除くと少数しか製造されていません。理由には、通勤時の大量輸送では効力を発揮するものの、それ以上にデメリットが大きかったことが挙げられます。在来線と新幹線とで、それぞれ特有の課題が出てきました。
平面の階が好きでしたね。プラットフォームと床高さがツライチなのでアクセスが容易でした。
MAXはスキー行くときかなりお世話になりました。1階で寝て2階で景色見てと使い分けしてました。
あと、プラットホームのかさ上げがバリアフリーで裏目に出るとは誰も予想できなかったでしょうね。