転換点はひとりのキーパーソン もうコピー兵器とはいえない中国第3世代戦車への歩み

21世紀に入り長年の「コピー兵器」「人海戦術」というイメージを脱しつつある中国軍ですが、この「長年」というのは比喩でもなんでもなく、実に長い年月をかけ歩みを進めてきました。大陸国家の顔たる戦車も、またしかりです。

ブレイクスルーのきっかけはひとりの技術者

 党中央はT-72派の案を採用します。この案の主任設計者は、システム工学者であった祝楡生(しゅくにりょう)です。ひとりの技術者がキーパーソンとなるのも一党独裁国家の特徴で、技術的才能だけでなく政治的才能も必要です。それまで染みついていた「フランケンシュタイン」的発想を転換させるには、カリスマ性のあるキーマンと党の影響力が必要だったようです。

 こうして祝楡生主導の下、T-72をベースとするWZ-123という試作車が1997(平成9)年に完成します。ところが党から、1999年10月1日の50周年国慶節軍事パレードにこの新型戦車を参加させるよう指示が出ます。国慶節50周年というのは国威発揚宣伝に最適の舞台で、そして党の意向は全てに優先されます。

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1999年10月の国慶節パレードに登場して西側を驚かせた、中国の98式戦車。

 WZ-123はまだまだ実用段階ではありませんでしたが、無理やり「98式」と制式化され、そして18両が国慶節50周年に湧く天安門広場を行進しました。冷戦の終結で戦車への関心が薄れていた時期でもあり、西側諸国は新型戦車登場に驚きますが、中身は射撃統制装置も付いていないパレードできるだけの小道具だったことが後に露見してもう一度驚きます。

 この98式を使えるようにブラシュアップし、改めて完成したのが99式戦車で、ここに中国製第3世代戦車が完成を見ます。

 中国戦車には、旧日本軍の鹵獲戦車から始まり、外国技術を取り入れ自国流に改造しコツコツと研究模索で成果物を蓄積して着実に進化していった経過が見られます。これは中国の国力成長過程全体に見える特徴で、21世紀に加速度がついてブレイクスルーしました。外国製コピー兵器と人海戦術という中国人民解放軍のイメージは、遠い過去の話です。

【了】

【写真】中国建国パレード 車列の先頭は日本戦車

Writer:

1975(昭和50)年に創刊した、50年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。

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  1. スウェーデンとスイスが主力戦車を独自開発純国産配備・・・???

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