日本の「ごうりゅう」プロジェクトとオーストラリア原潜騒動…どうしてこうなった?
アタック級キャンセル オーストラリアに相応の事情アリ
ひとつ考えられるのが、2009(平成21)年に次期潜水艦が構想されてから10年以上経過し、インド太平洋地域の状況が大きく変化したということです。西側諸国は中国を意識して、この地域により大きなプレゼンスを発揮する必要性が高まりました。
しかし南半球にあるオーストラリアから焦点となっているこれら地域へ潜水艦を派遣するのは結構大変で、要求仕様には遠距離航海できることが盛り込まれていましたが、その重要性は更に増したというわけです。そして、原潜が通常型より有利な点は航続距離と水中航行速度です。
潜水艦の作戦可能日数を、通常型では「航海期間50日、平均航行速度6.5ノット」、原潜では「航海期間90日、平均航行速度20ノット」と想定して、オーストラリアのスターリング海軍基地から出航した場合を考えてみましょう。
南シナ海までは3000カイリ、作戦行動ができる日数は通常型で11日、原潜で77日となります。東シナ海へは4000カイリで、作戦行動可能日数は通常型0日、原潜73日とされています。つまり東シナ海は、通常型では往復するのが精一杯なのです。原潜が有利なのは一目瞭然です。
次に考えられるのは国内的な要因です。オーストラリア政府は計画当初より、潜水艦の国内建造を条件としていました。なんといっても約500億ドル(約4兆円)規模のビジネスです。雇用や経済面から、国内産業界からの計画に対する期待と圧力は無視できないものでしたが、正直なところオーストラリアの工業力に相応ではない分野もあります。これが、フランスとの事業が進捗しなかった原因のひとつでもあります。
オーストラリアの潜水艦計画は2040年代や50年代などの数字が出てきて先が見えないです(T_T)
オーストラリアが原潜導入に本気ならつなぎの潜水艦はロサンゼルス級の程度の良い物をリースするのが良いのではないでしょうか(?_?)2040年まで借りては返しの自転車操業ですが(;o;)