京王バス新路線「渋谷発“新宿経由”新橋行き」に乗車 まさに東京観光な不思議ルート

経由地は往復で異なる なぜこのようなルートに?

 12時5分、利用客を15人ほど乗せた渋谷駅行きの「052系統」は、停留所をまっすぐ発進し、ゆりかもめの高架下を潜り抜けながら次の「四谷一丁目」をアナウンスします。のっけから渋谷駅発と違うコースを歩み始めるのです。復路では大手町グランキューブに立ち寄らなければ、皇居にも向かいません。代わりに虎ノ門、溜池といったエリアを走っていきます。

 赤坂御所の横を通り過ぎたところで四ツ谷駅が見え、往路と同じコースに戻り、12時22分、四谷一丁目停留所に到着しました。ちょうど、四谷一丁目~大手町~新橋~四谷一丁目と一周してきたといえます。ただし、この先も微妙にルートは違っており、往路が新宿御苑沿いの「新宿御苑」停留所を経由するのに対し、復路はそこから少し北に位置する新宿通り沿いの「東京メトロ新宿御苑前駅」停留所を経由します。

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渋谷駅発は「新宿御苑」停留所だが、新橋駅発は若干離れた「東京メトロ新宿御苑前駅」停留所に止まる(2021年10月2日、蜂谷あす美撮影)。

 12時27分、東京メトロ新宿御苑前駅停留所を発車し、12時36分、新宿駅西口26番乗り場に到着しました。ここでも、往路とは少し離れたところに停車です。

 最後は往路の景色をおさらいするような行程で、13時10分、渋谷駅に到着。こうして渋谷→新橋17km、新橋→渋谷13.8kmの「052系統」の旅は終了です。所要時間はおよそ2時間半、往復運賃は420円でした。反転した「の」の字のような形で都心を走るのは、京王グループが持つバス停どうしを最短でつないだルートだからだそうです。

「路線バス」の利用目的としては逸脱していますが、気軽な東京観光におススメの路線だと感じました。またルートには代々木公園や新宿中央公園、新宿御苑、それに皇居など緑も多く、ちょっとした森林浴気分にも浸れます。

 余談ですが、新橋駅停留所近くには公衆トイレがあるため、渋滞などによる遅延がなければ、お手洗い休憩も確保できますのでご安心を。

【了】

【片道210円で東京観光♪】「052系統」の路線図&沿線風景

Writer: 蜂谷あす美(旅の文筆家)

1988年、福井県出身。慶應義塾大学商学部卒業。出版社勤務を経て現在に至る。2015年1月にJR全線完乗。鉄道と旅と牛乳を中心とした随筆、紀行文で活躍。神奈川県在住。

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コメント

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1件のコメント

  1. 京王がようやく港区に進出したようだね。相鉄ももうじき都営三田線やメトロ南北線を介して港区に来るから関東の大手私鉄港区に乗り入れ先や路線バスも含めて一切乗り入れないのは 西武 だけになりそうだね。