大砲の究極形 戦場の女神「アンツィオアニー」と「アトミックアニー」 米独の危険すぎる破壊神

名は体を表すといいますが、兵器のなかにはその名から想像もつかないものもよく見られます。「アンツィオアニー」「アトミックアニー」はそれぞれWW2期ドイツと戦後アメリカが運用した大砲の愛称です。歴史に残る2門の「アニー」のお話。

連合軍を震え上がらせたアンツィオの列車砲

 ドイツ軍のK5列車砲が撤退するまでの1944年2月から5月のあいだ、連合軍が橋頭堡を築いたアンツィオに対する同砲の射弾数は5523発とされ、1日平均50発前後は射撃していたようです。

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2021年現在のチャンピーノ・トンネル。縦方向が線路。山のトンネルではなく、高台の下をくぐる構造になっている。写真下方がチャンピーノ駅方向(画像:Google Earth)。

 散発的に前触れもなく落下してくる28cm砲弾の威力は絶大で、アンツィオに展開したアメリカ第3歩兵師団の、2月から5月までの被害の83%が砲撃によるものとされており、全てがK5の仕業というわけではありませんが、防ぐ手立てのない厄介な破壊神だったことは間違いありません。

 この破壊神を、連合軍は偵察機や偵察部隊を駆使して探し求めます。しかし前線から40km後方にある列車砲を捕捉するのは容易ではなく、ドイツ軍の運用の妙もあって、戦闘中に発見することはできませんでした。

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アンツィオアニーの転戦地図(画像:Google Earth画像を基に月刊PANZER編集部作成)。

 K5は1944年5月18日の砲撃を最後にチャンピーノから撤退し、ローマを経由してその北西に位置するチヴィタヴェッキアまで北上しますが、線路網が寸断されて進めなくなりました。やがて、ローマが占領された後の1944年6月7日、アメリカ軍第34師団第168歩兵連隊が側線に放置されていた「アンツィオアニー」と「アンツィオエクスプレス」を見つけ鹵獲します。

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2010年10月、分解修理前に撮影されたK5(画像:アメリカ陸軍)。

 2門はアメリカに運ばれ、破損の少ないパーツを組み合わせて1門として調査が行われた後、「レオポルド」として2021年現在もメリーランド州アバディーンのアメリカ陸軍兵器博物館に展示されています。

K5列車砲とチャンピーノ・トンネル 当時の写真

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