ケーブルカー版「小田急ロマンスカー」って? 大山ケーブルに乗る 天窓から圧巻の風景

車窓を遮るものがない!←取り払ったんです

 改札を抜けホームに行くと、足元が階段状となっていて、早くも急勾配を実感できます。停車している車両は、前頭部のガラスが天井まで広がっているお洒落なデザインです。

 大山ケーブルカーの車両は、小田急の特急ロマンスカー「GSE」や「VSE」、箱根登山鉄道のアレグラ号を手掛けた、岡部憲明アーキテクチャーネットワークがデザインしたもの。つまり、最近のロマンスカーと生みの親を同じくする「兄弟」というわけです。

 コンセプトとして「大山の特色ある眺望・景観を取り込んだ展望車両」とあり、山下側は屋根まで大型曲面ガラスが広がる展望席です。側窓も大型ガラスのため、車内に入ると車両全体が風景となっているような雰囲気です。

 天井はロマンスカー「VSE」を彷彿とさせる円形のもので、上品な落ち着きを感じます。2015(平成27)年、この車両導入にあわせて大山ケーブルカーでは屋根上の架線が撤去され、遮るものなく空を眺められるようになりました。

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山下側の展望席(2021年10月18日、安藤昌季撮影)。

 さて、車掌が乗り込むと出発です。列車は3分ほどで中間駅の大山寺に到着します。ケーブルカーは多くの場合、途中に行き違い用の設備がありますが、そこに駅が設置されているのは、珍しい風景です。急勾配のため、ホーム全体が階段状になっているのはケーブルカーならではです。標高400mの大山ケーブル駅に対して、大山寺駅は512m。ここまで280‰(1000m進むと280m上る)の急勾配を上った計算となります。

 なおこの駅は行き違いの関係で、列車により発着番線が異なります。線路にケーブルがない方に下り列車が、ある方に上り列車が来るのです。大山寺観光のために同駅で途中下車した場合、列車を降りたホームに行っても、同じ方向の列車が来るとは限らないのでご注意を。

【国内めずらしい】ケーブルカーの行き違い中間駅 ほか

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コメント

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1件のコメント

  1. 新緑の季節だってあろうになぜ車体を黄緑色だけのにしたのだろう?保護色?