「いかめし」ついに丼になる 発売80年 不動のNo.1駅弁を守る3代目の挑戦

初の「丼」に賭ける意気込み

 今井麻椰社長によると、今回は「いかめし」販売数1位の50回達成と“殿堂入り”を記念して、京王百貨店からの持ち掛けによって、「3代目のいかめしde丼!」の開発・発売に至ったそうです。この大会では毎年の恒例として、陶器の特製丼鉢に入れた駅弁が限定発売されていますが、その中でも“元祖 森 名物 いかめし”の文字・マークが側面に入った真っ赤な記念丼は存在感を放っています。

 この「いかめしde丼」は、今回の目玉企画「人気駅弁屋・新作弁当の競演」の一角として、いわき駅弁・小名浜美食ホテル、仙台駅弁・こばやしとともに話題を呼んでいます。

 一方、80年来のいかめしについては今後も変えないといいます。食材のコンディションに合わせてタレの配合を変えて大鍋で煮込むため、少しづつ味が違ってくる多様さもそのまま。だからこそ、長年買い求め続けるリピーターも多いのではないでしょうか。

 現在ではレトルトのいかめしも発売されていますが、先代の社長も以前に「レトルトと実演の『いかめし』は別のもの」と話していました。麻椰社長も「その味と見た目は守りたい」といいます。もし近くに出店があれば、バスケのパスワークを見るかのようなチームワークで作られた実演販売で、いかめしをテイクアウトしていただきたいものです。

【了】

【写真】TVキャスターも務めたいかめし阿部商店3代目・今井麻椰社長

Writer: 宮武和多哉(旅行・乗り物ライター)

香川県出身。鉄道・バス・駅弁など観察対象は多岐にわたり、レンタサイクルなどの二次交通や徒歩で街をまわって交通事情を探る。路線バスで日本縦断経験あり、通算1600系統に乗車、駅弁は2000食強を実食。ご当地料理を家庭に取り入れる「再現料理人」としてテレビ番組で国民的アイドルに料理を提供したことも。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅」など。

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コメント

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4件のコメント

  1. 多分、失敗する。最初は「森のいかめし」ブランドで売れるだろう。だが、リピーターは皆無。一回りしたら売れなくなると思う。いかめしが駅弁大会で不動のトップなのは安いから。そりゃ美味しいと言うのが大前提だが、それはどこの駅弁にも言える。他との違いは圧倒的な価格差ですよ。仮にいかめしが他の駅弁と同じ1500円以上もしたら、トップの座は維持できていないだろう。
    で、今回の新製品。1800円ですか?
    一食1800円って普通に考えれば高い食事ですよ。駅弁と言うだけで付加価値が付くのだろうけど、他の駅弁と比べても割高です。おそらく2、3年で消えるでしょう。

  2. 丼は、イベント用にあえて攻めて作ったと思うのですが、今度普通のいかめしにチーズオンしてみようかと・・・
    オリジナルの丼付いて1800円なら妥当な所だと思いますね。
    流石に定番にはならないと思いますが、こういうチャレンジは
    ありだと思います。

  3. ベースのイカめしは続けるとして、
    こういう感じで試行錯誤しながら、老舗として続けていって欲しい。

  4. 特急北斗のデッキから身を乗り出して探しましたが森駅のプラットフォームに立ち売りの姿は見いだせませんでした。なるほどこれが幻の駅弁たる所以かと…峠の釜めしは北陸新幹線の車内(それとドライブインや高速道SA)で買えたこともあったのですが。

    この丼ものも鉄道の駅では決してお目にかかれないものなのでしょう。