安定のドイツ製に換装…しない! WW2イタリア国産エンジン戦闘機 用途変えて奮闘へ

エンジン選定で翻弄され、さらに後回しに

 自国のイタリア空軍に採用されなかったRe.2000「ファルコ」ですが、開発元のレッジアーネ社は見切りをつけることなく地道な改良を続けます。

 同機に搭載されたピアッジオ製空冷エンジンの性能不足を補うため、1940(昭和15)年にはドイツのダイムラー・ベンツ製DB601液冷エンジン(1175馬力)を搭載した改良型Re.2001を開発、7月には初飛行に成功しました。しかし、今度はドイツ製の液冷エンジンが技術的な問題から、フィアットやアルファロメオでライセンス生産が予定通り進まず、その影響を受けてイタリア空軍へのRe.2001導入計画は中断してしまいます。

 そこでロンギ技師は、新たに開発されたピアッジオ製P.XIX RC45型空冷エンジン(1175馬力)を搭載した機体を設計します。エンジンの小型化によりカウリングは先端に向けて大きく絞った形状に変更され、空力的にも洗練されたデザインとなりました。この試作機は、Re2001より3か月遅れた1940(昭和15)年10月に初飛行を行い、Re.2000譲りの優れた運動性能と大きな航続距離を示しました。

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イタリア空軍第5航空団の第102急降下爆撃航空群、第239飛行隊所属のRe.2002戦闘爆撃機。胴体下には爆弾架が、左翼上にはサルバトール型落下傘が見える(吉川和篤所蔵)。

 こうしてレッジアーネ社が開発した戦闘機は、ピアッジオ製新型エンジンを搭載したことで、ようやくRe2002として自国イタリア空軍に正式採用されます。

 イタリア語で牡羊座を意味する「アリエテ」の名称が付けられたRe.2002は、当初成功したかのように思われましたが、のちに燃料系統を含む多くのトラブルが見つかり、またもやピアッジオ製エンジンの信頼性不足が露呈したのです。こうしたエンジン開発のトラブルは大戦中のイタリア軍機にしばしば見られましたが、御多分に漏れずRe.2002も該当し、結局、生産計画はさらに遅れてしまいました。

【イタリア最強!?】デビュー遅すぎた傑作機Re.2005「サッジタリオ」

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コメント

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1件のコメント

  1. 内容と関係ないのであれですが
    役不足は能力に対して割り当てられている役目が軽い事を意味してます
    誤用している人の方が多数派になりつつありますが、物書きが間違えてはいけません
    辞書をきちんと引いてください