「都心から郊外までノンストップ」通過しまくり快速・急行たち 32駅通過も!?
ターミナル駅を出たら15駅通過!? 「郊外ワープ」王国の関西私鉄
「都心から郊外までノンストップ」な一般列車が縦横無尽に駆け抜けるのが、大阪平野に伸びる近鉄の3本の路線です。
●近鉄大阪線「快速急行」
JR大阪環状線・大阪メトロ千日前線との乗り換え駅である鶴橋を出ると、今里・布施・俊徳道・長瀬・弥刀・久宝寺口・近鉄八尾・河内山本・高安・恩智・法善寺・堅下・安堂・河内国分・大阪教育大前・関屋・二上・近鉄下田を通過し、五位堂に停車します。都心を出発すると大阪平野を駆け抜け、生駒山地を越えて奈良県に入るまで無停車なのです。
●近鉄奈良線「快速急行」
大阪市街と奈良市街を直結し、車窓が道中で大きく変化していく近鉄奈良線。こちらも大阪線と同じく、鶴橋を出ると大阪府内にある駅には全く停車しません。生駒山地の急斜面を駆け上っていき、長さ3494mの生駒トンネルを抜けて、奈良県生駒市の生駒駅でようやく停車します。その間、今里・布施・河内永和・河内小阪・八戸ノ里・若江岩田・河内花園・東花園・瓢箪山・枚岡・額田・石切の12駅を通過します。
●近鉄南大阪線「急行」
ターミナル駅・大阪阿部野橋駅を出ると、そこからは18.3km、16駅先まで全く停車しません。途中、河堀口・北田辺・今川・針中野・矢田・河内天美・布忍・高見ノ里・河内松原・恵我ノ荘・高鷲・藤井寺・土師ノ里・道明寺を通過します。
これら近鉄の快速急行・急行は停車駅や所要時間も有料特急にひけを取らず、奈良県から大阪都心への通勤需要で、直接のライバルであるJR大和路線と対抗しています。これらの路線では、有料特急は速達性よりも「着席保証」の性質が強いと言えるでしょう。
最近は換気の問題もさらに重要にはなってきましたが車両側でうまく対処しているのでしょう。固定ではない窓を細く開ける、という消極策も目にしますが…