【空から撮った鉄道】東北縦貫線が「上野東京ライン」として開業する前後

現在当たり前のように存在する「上野東京ライン」。今から7年前の2015年に開業した東北縦貫線、愛称「上野東京ライン」の開業前後を紹介します。

この記事の目次

・2015年3月14日のダイヤ改正はJRの開業と廃止が相次ぐ
・かつて存在した東京~上野間の回送線は実際に見ることは叶わず
・東北縦貫線の工事は2008年から
・まるでジェットコースターみたい……
・神田駅周辺の重層化高架橋が圧巻

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2015年3月14日のダイヤ改正はJRの開業と廃止が相次ぐ

「上野東京ライン」の愛称で都市間輸送を担う東北縦貫線は、東京の動脈路線の一つとして活躍し、もうすっかり東京に馴染んでいるように思えます。また、東京駅と上野駅が近郊電車の起終点であった時代も、だいぶ経つように感じます。けれども、「上野東京ライン」の開業からまだ10年も経っていません。開業は2015(平成27)年3月14日のダイヤ改正です。

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秋葉原駅を眼下に神田方面を見た工事たけなわの「上野東京ライン」。一部箇所では重層化高架橋の基礎ができている(2010年8月22日、吉永陽一撮影)。

 このダイヤ改正は、JRの開業と廃止が相次ぎました。大きなところでは北陸本線の一部第三セクター化、寝台特急「トワイライトエクスプレス」「北斗星」定期運行の廃止。JR北海道の711系定期運用終了。開業は北陸新幹線、「仙北東北ライン」、そして「上野東京ライン」。今回はこの「上野東京ライン」にスポットを当てます。

かつて存在した東京~上野間の回送線は実際に見ることは叶わず

 東京と上野の間は、戦前にはもう複線の線路が繋がっていました。山手線も含めて全線高架構造であり、線路の両脇は建物が迫る密集地帯のため、線路を増やすことのできない場所でした。建物が密集する様は現在でも変わりありません。

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東京駅を発車したE2系とE231系500番台の山手線外回り電車がすれ違う。「上野東京ライン」の南行となる場所は整地され、一部はレールの取り付けを開始している(2011年2月22日、吉永陽一撮影)。

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Writer: 吉永陽一(写真作家)

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。

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