鉛筆ソックリ 空自も使った傑作戦闘機 F-104「スターファイター」初飛行-1954.3.4

日本も採用、最後は無人標的機として運用

 試作機XF-104は、当初予定されていたJ79型ターボジェットエンジンの搭載が間に合わなかったため、既存のJ65-B-3型エンジンを搭載して初飛行に成功、その後J79を搭載したYF-104がマッハ2を達成しています。

 アメリカ空軍では1958(昭和33)年2月から部隊配備が始まりましたが、翌1959(昭和34)年には日本も採用を決定、三菱重工でライセンス生産を行うなどして1961(昭和36)年度から6年間で230機を導入し、北海道から沖縄まで全国に配備しました。

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F-104J「スターファイター」の原型であるXF-104(画像:アメリカ空軍)。

 F-104Jは、航空自衛隊が装備した戦闘機として、初めて超音速の飛行性能を有した機体でした。加えて20mmバルカン砲を装備した最初の機体でもあり、搭載する空対空ミサイル「サイドワインダー」と合わせて、長らく日本防空の主力であり続けました。

 なお、航空自衛隊のF-104Jは1986(昭和61)年にF-15J「イーグル」戦闘機に更新される形で完全退役します。ただ、程度の良い機体については無人標的機に改造されることになり、最終的に14機が遠隔操縦のフルスケール標的機「UF-104J/JA」に生まれ変わっています。

 UF-104J/JAに対する最初の実弾射撃は1995(平成7)年3月に実施され、各地の戦闘機部隊から派遣されたF-4EJ「ファントムII」やF-15J「イーグル」によって3機が撃墜されています。翌年にも何機か撃墜され、1997(平成9)年3月に最後の1機が撃墜されてUF-104J/JAの運用は終了。日本の空からF-104「スターファイター」は姿を消しました。

 ただ、世界を見渡すとその後も運用は続いており、イタリア空軍では2004(平成16)年10月31日まで、現役で運用していました。

【了】

【往時の飛行シーン】航空自衛隊のF-104「スターファイター」をイッキ見

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