山がないのに「○○山口」駅 32年経って復活した駅も!? 全国調べてみた
日本全国には「駅の設置目的」を名称に入れている駅が多くあります。例えば高尾山の登山客が多く利用する、京王電鉄・高尾山口駅です。ただ全国の「○○山口」駅が必ずしも登山口を指すわけではなく、中には山ですらない例もありました。
「山口」駅の近くにはどんな山が?
数ある駅の中でも「○○山口」はわかりやすい名称だと、筆者(安藤昌季:乗りものライター)は思っていました。「要するに、登山したい人の玄関口でしょ」。しかしそう思った時こそ調べてみるもの。先入観を自覚した時が、調べる機会だからです。
全国で「山口」が付く駅名は25駅存在するようです。文字数(漢字)の少ない順に、なぜ「山口」駅となったのかを取り上げて行きましょう。
最初はそのものズバリ、JR山口線「山口」駅。山口県の県都である山口の代表駅です。そもそも「山口県」はなぜ「山口」なのでしょうか。
山口と言う地名自体は、鎌倉時代中期から見られる地名で、山口駅の北北西に位置する東鳳翩山(標高734.2m)の入口となるから「山口」という地名になったようです。
所変わって愛知環状鉄道にも「山口」駅(愛知県瀬戸市)は存在します。こちらは駅の近くに山口町という地名があることが、駅名の由来でしょう。猿投山への入口を表す地名ですが、駅の近くに山はなく、東に約5kmの場所に位置します。
次に3文字駅。JR山陰本線には「大山口」駅(鳥取県大山町)があります。近くにある伯耆富士こと大山(だいせん)に由来する駅名でしょう。大山口駅からは大山の中腹にある大山寺行きのバスが出ています。なお同駅から4つ東に「中山口」駅がありますが、こちらも大山由来でしょうか。
山陽新幹線が停車する「新山口」駅は有名です。ほかにもJR在来線の山陽本線・山口線・宇部線が乗り入れます。長らく「小郡」駅でしたが、平成の大合併で旧小郡町と、山口市の合併が具体化していたことから、2003(平成15)年に現在の駅名となっています。ちなみに山口駅とは鉄道キロで12.7km離れています。
JR山口線には「上山口」駅(山口市)もあります。上山という山は近くにないので、山口駅の上(北)だからというのが由来と思われます。
富士急の富士山駅を「富士山口」駅にすりゃあよかったのにね