「新型に化け」JR山手線で旧型車両が現役!? よく見ると昔の痕跡も 見分け方は?
「オール新車」、実はたった2編成
ではなぜ10号車だけ旧型のE231系を転用したかというと、最も古くても2010(平成22)年製、廃車するには早いという判断からでした。そもそもこのE231系は、山手線へのホームドア設置に伴い、従来の6扉車の置き換えとして後から製造された車両です。
また、山手線の車両を新型E235系に更新する際、捻出したE231系をJR中央・総武緩行線に転用することにしましたが、同線は10両編成、対する山手線は11両編成と、1編成あたり1両が余る状況でした。
ほかにも、ドア位置をあわせるという重要な役割もありました。山手線の電車は線路工事などの際、田端~田町間で並行するJR京浜東北線の線路を走行することがあります。ただし京浜東北線は10両編成のため、同線の先頭車の停車位置には山手線の10号車(中間車)が来ます。運転席のある先頭車と中間車ではドア位置が異なることから、これを揃えるべく、ドア位置を車両中央寄りにずらしたE231系が必要だったのです。
では現行の山手線には、「完全なる新型車両」の編成はないということでしょうか。答えは「いいえ」です。
E231系(10号車)をE235系へ編入改造するために、その編成は車両工場へ入るわけですが、その間は運用できる編成が減ることになります。工期を確保し、また運用本数を補うために、10号車も初めからE235系として新造された編成が2本だけ存在するのです。
この2編成に組み込まれた10号車の形状は、ほかの号車と揃っています。単純計算で、乗車できる確率は4%。偶然やってきたら、かなりラッキーといえるでしょう。
こういった「他形式からの編入」は山手線の例に限らず、ダイヤや営業方針の変更などで車両の更新や組み換えがなされるとき、余剰車両が比較的新しいとしばしば行われます。
関西では京阪電鉄の10000系電車を7両編成にする際、余剰となった7200系電車および9000系電車を編入しています。車体裾の形状や屋上の冷房装置の違いなどが、判別ポイントです。
【了】
Writer: 児山 計(鉄道ライター)
出版社勤務を経てフリーのライター、編集者に。教育・ゲーム・趣味などの執筆を経て、現在は鉄道・模型・玩具系の記事を中心に執筆。鉄道は車両のメカニズムと座席が興味の中心。座席に座る前に巻尺を当てて寸法をとるのが習慣。言うなれば「メカ&座席鉄」。
埼玉高速鉄道2000系も8両化するさいはメトロの7000系や8000系の中間車を利用したほうがいいだろう。
編成を組み替えて、不足分は新車3000系を導入すればよい。
山手線でE231系4600番台から転用した10号車は4600番台だが、2両しかない新規の10号車は500番台である。
7000系は古過ぎるし8000系の05系準拠の中間車を組み込むのも大改造が必要(走行システムも違うし、2000系は3M3Tなので電動車化も必要)。
何より、埼玉高速に譲渡するなら、自社の9000系に編入するだろ。そっちの方が経年も近いし電動車化も不要(1〜4次車は4M2T)。
返信先おかしくね?
なるほど新化したわけだ
103系も“サハ101形”から改造編入された「サハ103-750」と、“クハ100形”、“クハ101形”から改造編入された「クハ103-2000」、「クハ103-2050」がありました。