ウ侵攻中のロシア軍に見られるイタリア製装甲車は何者? 歴史ある戦車大国の屈辱!

ウクライナへ侵攻中のロシア軍にイタリア製装甲車両が見られます。元々ロシア軍が装備していたものですが、戦車大国のはずのソ連/ロシアがなぜ外国製装甲車を使用しているのでしょうか。その背景を追います。

「ぬるま湯」脱却への劇薬として

 ソ連崩壊後の経済混乱による財政難と冷戦終結による大規模戦争の可能性低下により、1997(平成9)年以降ロシアは「コンパクト化」「近代化」「プロフェッショナル化」という3つの改革の柱を掲げて軍改革に取り組みました。

 そうしたなか2007(平成19)年、国防相に就任したアナトリー・セルジュコフは、ソ連時代から軍事優先の社会主義体制下で手厚く保護され「ぬるま湯に浸かりきった」ロシア軍需産業界にも大ナタを振るい、「2015年までの国家装備プログラム」、通称「GPV-2015」を実施します。

 ところが計画は遅々として進まず、産業界は相変わらず冷戦発想の時代遅れな戦車や装甲車をちまちまと手直しするばかりで、「20世紀遺物の改良型に過ぎない!」とセルジュコフを怒らせました。

 セルジュコフは当時、西側をざわつかせた新型戦車T-95をはじめ多くの新兵器開発をキャンセルしただけでなく、納期遅れや予算超過には罰金を科しました。しかも戦車王国の伝統を持つロシア軍に外国製装甲車を輸入するという荒業に出ます。

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イベコの工場で展示されるLMV(画像:Iveco)。

 ほかにもフランス製のミストラル級揚陸艦(後にキャンセル)やイスラエル製無人偵察機の導入を発表し、さらにイタリアからセンタウロ装輪戦闘車(日本の16式MCVと同じカテゴリーの装輪戦車)の輸入まで計画します。これには、イノベーションできないロシア軍需産業界に活を入れるというセルジュコフの意図があったといわれます。

Iveco LMV(多目的軽装甲車両)のインテリア

ロシア軍のウクライナ侵攻 最新情勢 戦争はどうなっているのか

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