ウ侵攻中のロシア軍に見られるイタリア製装甲車は何者? 歴史ある戦車大国の屈辱!

ウクライナへ侵攻中のロシア軍にイタリア製装甲車両が見られます。元々ロシア軍が装備していたものですが、戦車大国のはずのソ連/ロシアがなぜ外国製装甲車を使用しているのでしょうか。その背景を追います。

ロシア政財界に波風を立てた「イタ車」

 Iveco LMVは2009(平成21)年にロシアの軍需メーカーKamAZが2両のサンプルを輸入し、2010(平成22)年にはロシア国防省の予算で10両分のパーツが輸入されます。1両ぶんのパーツの値段は1200万ルーブル(当時の為替レートで約2400万円)でした。一方で2010年3月、ロシア国防省のスポークスマンは、外国製装甲車の取得は検討していないとも述べています。

 しかし2010年12月になって国防省はIveco LMVの導入を決定、2010年から2016(平成28)年に1775両の購入のために約300億ルーブルの予算を割り当て、「リンクス」の名称でライセンス生産することになります。これが冒頭で挙げた「Rys’」、ロシア語でオオヤマネコを意味する愛称をもつ装甲車です。

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イタリア軍で使用されるLMV。フロント上部に並んだ発煙弾発射筒が面白い(画像:イタリア陸軍)。

「リンクス」は2012(平成24)年5月の対独戦勝記念日パレードにも登場し、外国製装甲車が国家的記念日に赤の広場をパレードする姿は関係者にショックを与えたといわれます。その4か月後の9月21日、セルジュコフは、ロシア軍は「リンクス」を3000台以上必要としていると発言しています。しかしこの直後の同年10月、セルジュコフは国防省傘下企業をめぐる横領事件の嫌疑で解任されてしまいました。軍や産業界の既得権益を犯して反発を買い、ロシアの政治力学バランスを崩し過ぎたようです。

 なお「リンクス」は2014(平成26)年までに358両がライセンス生産されて、おもにロシア軍憲兵隊へ配備されました。

Iveco LMV(多目的軽装甲車両)のインテリア

ロシア軍のウクライナ侵攻 最新情勢 戦争はどうなっているのか

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