2階建て電車の「215系」が山手線を走った日とは? 歴史的な激レア運用の“夜”

通勤・通学輸送用で着席サービスを向上するために2階建てとなった215系電車。主な走行路線は東海道本線や中央本線でしたが、実は山手線を走っています。埼京線などが走る山手貨物線でもありません。どのような理由からでしょうか。

貨物じゃなくてホントの山手線を走った日

 JR東日本の215系は1994(平成4)年に運転を開始したオール2階建て(両先頭車の1階は機器室)の近郊形電車で、東海道本線の快速「アクティー」や着席列車の「湘南ライナー」をはじめ、土休日には中央本線の「ホリデー快速ビューやまなし号」にも使用されました。しかし、2021年3月のダイヤ改正で定期運用を終了し、2022年に全車が廃車となっています。

 この215系ですが、山手線を走ったことがあります。一時期は湘南新宿ラインとしても使われましたが、その湘南新宿ラインや埼京線が走る山手貨物線ではなく「山手線」、つまり旅客線のほうも走っています。

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中央本線の「ホリデー快速ビューやまなし号」に使われた215系電車(伊藤真悟撮影)。

 山手線を走った215系は団体臨時列車として運転されたもので、列車名は「21世紀記念列車 215(GO)号〔にじゅういちゴー〕」。21世紀を迎えるのを記念して2000(平成12)年12月31日から2001(平成13)年1月1日にかけて運転されたもので、列車名にあわせて215系が使われたのです。

 215系の団体臨時列車は池袋駅を23時15分に出発し、山手線外回りを一周して池袋駅に午前0時21分に到着するもので、途中駅での乗降はできませんでした。大晦日から元日にかけての運転ということで山手線では205系による終夜運転を行っており、先行電車の遅れからか池袋駅には数分遅れで到着しています。

「21世紀記念列車 215(GO)号〔にじゅういちゴー〕」は山手線を走る珍しさもあり、募集からすぐに満席となりました。この人気を受けて、JR東日本では2001年12月31日から2002(平成13)年1月1日にかけても215系を使ったカウントダウンの団体臨時列車を山手線で運行しています。そのときは品川発品川行きの外回りでした。

【了】

【写真】ほかにもある! 山手線を走った珍列車

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