2階建ての東海道線215系 少ない活躍のワケ 快速アクティーからも消え その功績と教訓
着席人数を増やすべく、先頭車両以外オール2階建てとなった215系。乗客の評判も上々でしたが、快速アクティーからも外されて以降、ライナー以外の定期運用がありません。なぜ終日走らず、量産もされなかったのでしょうか。
定員増の215系 2階席など評判は上々 しかし……
1980年代から90年代にかけ人々の通勤距離が延びてくると、「快適通勤」への対応が課題となりました。特に東海道本線は、東京から約60km離れた平塚駅付近から混雑が激化するため、着席保証列車の「湘南ライナー」が設定されました。
わずか300円(のちに500円)の追加で着席通勤が可能とあって、湘南ライナーは大好評を博したため、より座席数を多くすべく2階建て車両として登場したのがJR東日本の215系です。
215系は10両編成を組み、両先頭車を除く8両が2階建て車両で、座席定員は10両で1010名。東海道本線を走った近郊形の211系が10両で706名なので、座席数が約4割増加しています。
215系は4編成が製造され、通勤時間帯の湘南ライナー、おはようライナーの運用に投入。座席こそ4人掛けのボックスシートですが、ラッシュ時は座席の快適性よりも座席数が重視され、乗客の評判はまずまず。日中は快速アクティーなどで使われましたが、こちらは2階席を中心に評判は上々でした。しかしこの快速アクティーの運用で問題が発生しました。
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