欧州「戦車分布」に見る各国関係の複雑怪奇 ウクライナ侵攻からどう描き変わる?

EUに代表されるように、ヨーロッパ各国はかつての反省からか、長年にわたり連帯しようとする動きが見られますが、一方で各国の戦車保有数を見れば、そのホンネが透けて見えてきます。最新の露ウ情勢も含め、その分布図を見ていきます。

いまヨーロッパに戦車はどれくらいあるの?

 2022年2月24日に始まったロシア軍のウクライナ侵攻は、誰も予想しえなかった長期戦となり3か月が経過してしまいました。SNSでは虚実入り混じった戦況が拡散して戦車の残骸ばかりクローズアップされていますが、そもそもロシアやウクライナはどのくらい戦車を持っているのでしょうか。そしてヨーロッパ各国に戦車はどのように分布しているのでしょうか。その分布図からはNATOやECなどと謳いながら一心同体とはとてもいえない各国の複雑な関係性が垣間見えてきます。

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西独時代のレオパルト1(画像:Bundesarchiv、B 145 Bild-F027417-0005/Berretty/CC-BY-SA 3.0、CC BY-SA 3.0 DE〈https://bit.ly/3wsUegR〉、via Wikimedia Commons)。

 戦車は高い戦闘力を持ちますが、製造するにも維持するにもコストの掛かる「金喰い虫」です。冷戦時代でも金喰い虫同士が実際に砲火を交えることは、財政当局者にとっては悪夢でしかなく、それよりも数を揃えて抑止力を誇示するなど外交的なツールとして使われることが任務でした。1980年代末期には、西ドイツと東ドイツの国境付近に3万両以上がひしめいていたとされています。

 冷戦の終結とソ連崩壊を経て、21世紀初頭には西側もロシアもヨーロッパ大陸において国家の正規軍同士による大規模戦闘はもう起こらない、これからはいわゆる「テロとの戦い」という非正規戦になると想定し、金喰い虫の戦車は削減される方向になります。

 戦車の発明国であり複合装甲の実用化など戦車技術をリードしてきたイギリスは、2009(平成21)年に戦車製造ラインを閉鎖しました。オランダは2011(平成23)年に戦車部隊を全廃しています。一方ロシアは戦車開発を継続し、2015(平成27)年に新型戦車T-14「アルマータ」をデビューさせています。

【図説】ヨーロッパ主要国戦車分布図 2020年版

ロシア軍のウクライナ侵攻 最新情勢 戦争はどうなっているのか

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