94万人の悲願? 世田谷区の“縦移動”はどうにもならないのか 鉄道バス・車や自転車も難あり

マイカーでも自転車でも難

 仮にバス路線が充実し、南北間が乗り換えなしに移動できたとしても、そこには「道路渋滞」という重大な問題が横たわります。世田谷区を縦に貫く主要道路の環八は、周知の通り区内で渋滞が常態化しており、路線バスもしばしば巻き込まれます。

 それならばと、マイカーで環八を通らずに抜け道で移動しようものなら悲惨です。カーナビは泣きたくなるような細い路地に誘い、ストレスのかかる運転をする羽目になります。

 よって、消去法で考えると、自転車で移動するのが一番タイムコストが良いわけですが、武蔵野台地や国分寺崖線からなる地形で地味に坂が多い世田谷区。電動アシスト付き自転車でない限り、相当きつい地域も少なくありません。

抜本的かつ壮大な計画が存在した!

 2022年4月、国土交通省が東京メトロ有楽町線の支線となる豊洲~住吉間の建設に事業許可を出しました。江東区を南北に貫くような線形であり、世田谷と同じ課題を抱えている江東区で、縦移動の改善が期待されることを羨ましく思ったものです。

 世田谷区として、江東区のような抜本的な解決策はないのでしょうか。実は、一筋の光があります。

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エイトライナー構想路線図(画像:大田区)。

 その名も「エイトライナー構想」。環八沿線の6区(大田・世田谷・杉並・練馬・板橋・北区)を結ぶ、新たな公共交通の実現を目指す計画があるのです。この計画が実現されれば、環八沿線地域の移動がスムーズになり、羽田空港へのアクセスにも資するとされています。

 昭和の時代から構想はあり、2016年の交通政策審議会答申でも、「地域の成長に応じた鉄道ネットワークの充実に資するプロジェクト」に位置付けられました。エイトライナーと一体となり羽田空港へアクセスする新空港線(いわゆる蒲蒲線)も、大田区が6月に整備の意向を表明したばかり。エイトライナーも早期の実現に向けて期待したいものです。

【了】

【鬼門は区の西部】世田谷区の交通の状況 画像で見る

Writer: 高山 佑

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コメント

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6件のコメント

  1. エイトライナーとかけて、宝くじととく

    そのこころは、「夢を見ても仕方ない」

  2. 事業中の外環道が開通したらマシになるんじゃないかな

  3. 他の人も、述べていましたが、、、外環道東京区間が開通すれば、世田谷のみならず、三鷹、その他練馬地域も大いに便利になるのでしょうけども、、、ああも事故と、想定外のトラブルが続出しては、、、、

  4. ずーっと昔から言われていること、2022年の今になって改めて言われても。
    とりあえず、蒲蒲線が出来れば羽田までのルートが変わる人が出てくる。
    二子玉から東急乗換で京急蒲田まで行ける人が出る。
    もし、エイトライナー出来たら、蒲蒲線が不要になる。

    あらあら。

  5. 世田谷の縦移動はシェアサイクルが便利ですよ。
    それこそ電動アシスト付自転車で駅前には大体ある。

  6. 世田谷区って、高級住宅地のイメージがありますけど、実は昔からそんなに住みやすくはないです。一つは記事にもあるように、結構公共交通機関の空白地帯が多いことです。昔深沢という所に住んでましたけど、最寄の大井町線等々力駅までは徒歩で20分もかかりました。
    次に意外なほど狭い道が多いことです。三軒茶屋から世田谷通り沿いの北側など、車で下手に入り込むと、出て来られなくなる恐れがあります。