ヨコスカの「ミッドウェー」退役から30年 日本に初めて配備された米ご長寿空母の生涯
排水量や搭載機関は戦艦と同レベル
ルーズベルト大統領に装甲空母の建造を要求されたアメリカ海軍は「資材供給の面で他の空母建造に悪影響がある」と、建造に消極的な態度をとります。しかし、再度大統領から建造するよう要求されたため、当時、エセックス級として計画していた「CV41」と「CV42」の2隻を新たな装甲空母として建造するよう計画変更しました。
その後、1943(昭和18)年6月には、「CV43」も装甲空母に変更され、これで3隻が新設計の空母として計画。合わせて艦種呼称も大型空母を現す「CVB」を新たに制定されました。
こうして建造が承認された新たな装甲空母(のちのミッドウェー級)は、基準排水量はアイオワ級戦艦に匹敵する約4万5000トン、搭載機数は120~150機、飛行甲板長、格納庫面積、航空燃料搭載量、弾薬搭載量、カタパルトなど、航空艤装の全てでエセックス級空母を上回る高性能空母として計画されたのです。
特に飛行甲板の装甲厚89mmは、227kg徹甲爆弾や、454kg通常爆弾に耐えられる防御力を有しており、726kg爆弾についても低高度であれば耐えられる強靭さでした。また舷側装甲についても、重巡洋艦の砲撃に耐えられる、右舷178mm、左舷194mmを誇っていました。
機関もアイオワ級戦艦と同じ、当時世界一となる21万2000馬力の高出力蒸気タービン(機関自体はアイオワ級とは別設計)を搭載し、33ノット(時速61.1km/h)の快速性を有していました。
しかし、建造するにあたっては「他艦の建造計画に悪影響を及ぼさない」という前提が設けられたため、1番艦「ミッドウェー」が就役したのは、第2次世界大戦が終わった後の1945(昭和20)年9月でした。
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