ヨコスカの「ミッドウェー」退役から30年 日本に初めて配備された米ご長寿空母の生涯

アメリカが世界で唯一、自国外に空母を配置し続けている日本。その端緒となったのが今から50年ほど前に初めて配備された空母「ミッドウェー」でした。第2次大戦終結の年に生まれ、冷戦後に退役したご長寿艦について振り返ります。

東西冷戦を生き抜き、最後は記念艦として保存・展示へ

 1977(昭和52)年には、姉妹艦である2番艦「フランクリン・D・ルーズベルト」が退役。時間を置かずして他の2隻も退役する予定が立てられますが、1980年代初頭に当時のレーガン政権が「600隻艦隊構想」を明らかにしたことで現役運用の続行が決定、延命されます。ちなみに、この時ミッドウェー級にはEA-6B電子戦機とE-2C早期警戒機の運用能力も付与されました。

 1986(昭和61)年、ミッドウェーは最後の改装を受け、艦の安定性向上を目的としたブリスター(船体側面の浮力強化用バルジ)が追加されています。このさいにC13カタパルトに換装したことで、F/A18の運用が可能となりました。

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1985年時点の空母「ミッドウェー」(画像:アメリカ海軍)。

 ただ、それでも就役から40年以上が経過し、陳腐化・老朽化は避けようがなかったことから、1992(平成4)年4月11日、ついに「ミッドウェー」は退役しました。

 この間、艦載機のF-14「トムキャット」が活躍する映画『トップガン』(1986)も公開されましたが、「ミッドウェー」では機体が重く、推力が低いF-14は運用困難でした。横須賀に配備されていたあいだにも、空母は高性能化、大型化していったのです。「ミッドウェー」と入れ替わる形で、横須賀に配備された空母「インディペンデンス」でようやく、在日米海軍にもF-14がお目見えするようになりました。

「ミッドウェー」級は、第2次世界大戦時に計画された各国空母のなかで最強といえる艦でした。しかし航空機の発達により、当初は「超大型」であったこの艦型すら小さくなります。とはいえ、改装を重ね、就役から退役まで47年間ほぼ現役だったのは、基礎設計の優秀さを示すものといえるでしょう。

 2022年6月現在、同艦はサンティエゴ港の海軍埠頭で「ミッドウェー博物館」として余生を過ごしています。

【了】

【人文字で「サヨナラ」】横須賀に配置されていた頃の「ミッドウェー」

Writer:

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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