砂漠にズラリ日本車 中東最大の中古車市場@ドバイを歩く ランクルから消防車まで 取引額は?

ハンドルの左右付け替えにも対応

 日本車のバスやトラックを専門にあつかう販売会社でも、やはり1世代以上前のモデルを中心に取り扱っており、最大の輸出先はアフリカ諸国だといいます。店番をしていた責任者は写真撮影と値段の提示を断固拒否しましたが、後から社名をネットで調べると公式ホームページがあり、そこには写真付きで値段も提示されていました。こうした、ちぐはぐな対応も中東特有のビジネスっぽさを感じます。

 ホームページによれば、2トン車のトラックで1万ドル(日本円で約135万円)、平ボディの4トン車トラックで約2万ドル(同約270万円)。50人乗りの大型バスだと3万ドル(同約405万円)になり、輸送費の関係から大きさに比例して高くなるようです。

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日本でも事業車両として人気の高いトヨタの「ハイエース」。グリルのデザインから分かる通り2013年以降のマイナーチェンジした新しいモデル(布留川司撮影)。

 旧車の場合はメンテナンスに関わる部分が気になるところですが、多くの販売会社がパーツ類も同時に輸入しているそうです。また、DAZ周辺には多くの整備工場があり、ここでは整備や修理作業のほかに、輸出する国に合わせてハンドルを左右に付け替える改造まで行っているとのこと。クルマ単体の販売だけでなく、アフターサポートまでできるマーケットが独自に形成されているのは驚かされます。

 なお、日本から輸入された商業車はボディに所属会社名などがそのまま残っていますが、これは「日本から仕入れた生粋の日本車」という、中古車としての価値を高めるステータスシンボルになっているようです。

 個人所有であろう旧車トラックを見ていたら、ボディには日本国内で使われていたときに貼ったと思われる「ビックリマン」シールがそのまま残っており、中東の地で偶然見かけた日本車に、予期せぬ日本の面影を見つけることができて、少し笑顔になりました。

【了】

【日本から来た決定的な証】ビックリマンシール張られたトラックほか

Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)

雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info

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