なぜ休日は快速通過? 高円寺・阿佐ヶ谷・西荻窪「杉並3駅」 長年続く風景の発端
JR中央線の「杉並3駅」、高円寺・阿佐ヶ谷・西荻窪の各駅が間もなく開業100周年を迎えます。この3駅は、平日のみ快速が停車する変則的なダイヤが特徴。なぜそのような形態になったのでしょうか。
話は複々線化の頃にさかのぼる
来る2022年7月15日(金)、「杉並3駅」ともいわれるJR中央線の高円寺、阿佐ヶ谷、西荻窪の各駅が、開業100周年を迎えます。これを記念して、JR東日本 東京支社や杉並区は、駅に関する写真展やイベントを開催する予定です。
この「杉並3駅」は、各駅停車にあたるJR総武線(中央・総武線各駅停車)電車のほか、“平日のみ”快速が停車する変則的なダイヤが特徴。つまり平日の快速は、下りは中野駅から(上りは同駅まで)、実質的に各駅停車となるわけです。なお特急や通勤特快、中央特快などは終日通過です。
また、3駅は総武線と中央線快速とでホームが異なりますが、土休日は中央線快速のホームは閉鎖され、使われません。なぜこのような形態になったのでしょうか。
杉並区の郷土博物館によると、ことの発端は昭和40年代にさかのぼるといいます。もともと地上を走っていた中央線は、1966(昭和41)年から1969(昭和44)年にかけて中野~三鷹間が高架化されました。同時に総武線の中野駅からの延伸も行われ、「杉並3駅」を含む区間は複々線となります。
ただ、当時の国鉄は、総武線を「杉並3駅」に停車させる代わりに、中央線(快速)にはホームを設けないつもりだったそうです。
昨年まで30年以上阿佐ヶ谷に住んでいたので、快速が休日通過になった前後のことも記憶しています。
遠方の利便性を高めるという意味は理解できたのですが、替わりに総武線の中野止まりを全部三鷹までにすべきではないかと思っていました。
中野行きが2本続く「魔の時間帯」のことはわかる方もいらっしゃるのではないでしょうか。