新鋭機「エアバスA350」は“空飛ぶテスラ”か JAL機長に聞くウラ側とは? 「伝統的な顔」も持つワケ

JALが導入した新鋭旅客機「エアバスA350」は、ボーイング機などを中心に構成してきたJALのパイロットにとっては多くの違いがあり、またいくつもの先端技術をもちます。ただ同型機のパイロットいわく「飛び抜けて先鋭的では」ないそうです。

「どこもかしこも最新鋭」ではない理由

 仲本機長は「A350に乗ることに慣れてしまったからかもしれませんが……」と前置きのうえ、「最初は私もA350は『どこもかしこも最新鋭』だと思ってはいたのですが、本当に基本的な飛行機のコンセプトも残っていたりもしますし、結構ボーイング機と変わらないな……と感じるところが多いのです」と話します。

 仲本機長はその一例に「アンチアイス(防氷システム)」をあげています。この「アンチアイス」、ボーイングの777や787ではオート起動になっているのに対し、エアバスA350は新鋭機ではあるものの、まだ手動でオン・オフの操作をするのだそうです。

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エアバスA320neo。A320は1988年にデビュー。マイナーチェンジをしながらいまだにエアバス社の中心的存在だ(画像:エアバス)。

 仲本機長は新鋭機であるA350が「どこもかしこも最新鋭」ではない理由について、「操縦システム自体はA320がベースになっているからだと思います」と話します。

 エアバス社は、当時としては極めて先鋭的な、デジタル式フライ・バイ・ワイヤ操縦システム(操舵を電気制御で実施するシステム)やサイドスティック操縦桿を採用した旅客機「A320」を1988年にデビューさせて以来、多数の新モデル旅客機を開発してきましたが、コクピット設計はいずれもA320と共通性を持たせてきました。このことで、A320とほかのエアバス機との移行期間を短くすることができ、航空会社にとってはパイロットの人員配置を合理的に進めることができます。

 エアバスA350もこの法則にのっとり、サイドスティック操縦桿をはじめ、1980年代デビューのA320と共通性をもった操縦システムを採用しています。仲本機長が「飛び抜けて先鋭的なシステムを使った飛行機ではない」と話す裏側には、30年以上前から航空会社のニーズに答えようとするエアバス社の”戦略”がありました。

【了】

【写真】確かにそっくり!? A350とA320の操縦席を見比べ

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国内航空会社を中心に取材を続け、国内・海外を奔走する日々を送る。ゆとり世代。

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