「T-2・F-1は『ジャギュア』のパクりだろ」フランスが日本に怒った理由 背景に“戦闘機以外”?
英仏共同開発の攻撃機「ジャギュア」に似ていたことから、「真似をされた」と仏側から“盗作”を疑われた日本の高等練習機T-2と戦闘機F-1。これにはどのような背景があったのでしょうか。
きっかけは日本の視察団の渡仏?
日本が1960年代に開発した高等練習機T-2と戦闘機F-1が、英仏共同開発の攻撃機「ジャギュア」に似ていたことから、「真似をされた」と仏側から“盗作”を疑われたことがありました。一体どのような経緯があったのでしょう。
たしかにF-1とそれに先立って開発されたT-2は、「ジャギュア」用に開発されたアドーア・エンジンを2基積み、全体のシルエットもそっくりです。そして「ジャギュア」にも、複座の訓練型もありました。
「ジャギュア」は1968年9月に初飛行し、インドやエクアドルなどへ輸出されています。一方、“パクリ疑惑”をふっかけられたT-2は1967年10月に設計が始まり、初飛行したのは1971年7月。そしてF-1は1975年6月に初飛行しました。
仏側が「技術的に真似をされた」と言い出したきっかけは、昭和40年代に日本からの視察団がジャギュアの試験現場を見たことからでした。
戦前、仏に航空機開発の技術指導を仰いだことがある日本。その縁もあって、この時代は、日仏の交流を復活させようという動きが起きた頃でした。日本のメーカーなどからの視察団が仏を訪れてエンジンや機体など航空機関連の工場を見学しており、この見学プログラムのなかには、当時「ジャギュア」を開発中だったブレゲ―社への訪問も含まれていました。
「せっかく訪仏したのだから」と視察団。当初は「開発中で最高機密だから」と渋っていたブレゲ―社も、結局は見学中にジャギュアの試験の一部を見せてくれたのですが、この視察団にT-2設計陣の幹部もいたのです。――ここから後日、仏が疑いをかけてきたというのが今に残る話です。
>「ジャギュア」用に開発されたアドーア・エンジンを2基積み
正確には、アドーアをライセンス生産したIHI製の国産品
(型番は確かTF40-IHI-7)だったような。
アドーアはミリネジが使われているらしいんですが、
防衛装備品の規則の関係でネジを全部インチネジにせねばならず、
また当時の英国はフォアマン制度の名残で
生産工程がマニュアル化されておらず、
一部の部品は作り方もわからず設計変更する必要があったとか。
ロールス・ロイスと正式な契約を結んで設計変更を行ったそうで、
このときの協力関係がロールス・ロイスとIHI共同のRJ500開発計画
(後にIAE V2500エンジンに発展)の開発につながったとも言われています。
空気取入口や翼の形状は結構違うのでパクリという程ではないだろう。F1はむしろF4をだいぶ模倣している。ただしフランスで見学した際に、同型エンジンだし配置がF4同様そこでいいんだなという確認はしたと想像出来る。
F-1とジャギュアは同じアドーアエンジンを使う双発の支援戦闘機と攻撃機ということで、魚と鯨類が同じ形なる収斂現象みたいな感じで似たような外観になったんでしょうね。(理屈としては)