“2度目の廃止”の先は? 「廃止代替バス」の廃止相次ぐ 元鉄道やバス会社が手放した路線
総延長約80km!長距離代替バス、分断へ
北海道では他にも、かつての鉄道代替路線バスが廃止を迎えます。
〈国鉄胆振線 代替〉道南バス:胆振線代替バス(北海道)
・廃止区間:喜茂別~本町東団地(途中区間のみ廃止)
このバスは、室蘭本線の伊達紋別駅と函館本線の倶知安駅のあいだ83kmを結んでいた鉄道、胆振線の代替バスとして、1986(昭和61)年の鉄道廃止とともに全線で運行を開始しました。内陸部の胆振地方と海側の伊達地方を結ぶこのバスは、全線を通し乗車すると約2時間20分。途中の大滝バス停でトイレ休憩を挟み、峠越え区間では人家が全く見当たらない秘境を進んでいました。
経営の足枷となったのは、この峠越え区間でした。この路線の2021年の年間赤字額が約1.2億、うち距離にして3割にも満たず、1日3本のみの峠越え区間のみで出る赤字額は、その半分に及んでいたといいます。
また沿線5市町の中でも特に補助金を多く拠出している伊達市は、2006(平成18)年の合併で同じ伊達市内となった旧・大滝村までのバス運行の維持に力を入れ、倶知安までの通し運行に関しては早くから存続に疑問の声をあげていました。今回の改正で、その要望が実現したといえそうです。
〈JR函館本線上砂川支線 代替〉北海道中央バス:砂川線
・廃止区間:砂川市立病院~上砂川役場~東山
1994(平成6)年に廃止となった函館本線上砂川支線の総延長はわずか7.3Km。1984(昭和59)年にはテレビドラマ「昨日、悲別で」のロケ地となり、「悲別駅」と看板を掛けた上砂川駅に、全国から多くのドラマファンが訪れました。
支線扱いであったため国鉄の分割民営化にともなう路線整理から逃れたものの、ひと足先にバス転換となった歌志内線より実績の低迷は激しく廃止に。当時から北海道中央バスが歌志内線・上砂川線を運行しており、これらが代替バスとされました。
しかしそのうち、今回のダイヤ改正で路線バス「上砂川線」が廃止となります。乗客の減少が続いていた同線は2019年には国からの補助の対象となる「1日の利用者15人以上」を割り込み、上砂川町・砂川町の支援によって運行を継続していたものの、2021年末に北海道中央バスから撤退の申し入れがあり、今回の廃止に至りました。なお当初は早期の廃止も検討されたものの、代替手段となる上砂川町の乗合タクシーの拡充を待って、9月での廃止となります。
なお上砂川町から砂川市への移動であれば、上砂川線とほぼ並行していた歌志内線の代替バス「歌志内線」があり、本数は減少するものの移動手段としては確保されます。
このほか、函館本線から東の炭鉱へ延びていたいくつかの枝線の沿線では、万字線代替バス(2022年4月)など廃止が相次いでいます。かつて炭鉱で賑わっていたこれらの街は、数千人が住んでいた集落が、いまや数十人となっているところもあります。
まさか二条鴨島線の廃止をフォローされるとは、驚きと感謝です。
ただし鍛冶屋原線の廃止は、1972年です。
ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。
徳島バスの路線ですが、藍住町から【吉野川市】鴨島町です