“2度目の廃止”の先は? 「廃止代替バス」の廃止相次ぐ 元鉄道やバス会社が手放した路線

2022年8~9月にも全国で多くのバス路線が廃止に。今回は、鉄道や幹線だったバス路線の代替バスの廃止・区間短縮が目立ちます。数十年前には賑わいを見せていても、地域の中心や人々の動きの変化により、活気が失われたケースもあります。

JRバスが消え、その並行路線も消える

 かつての国鉄バスは、あくまで鉄道(国鉄)のサブとしての役割を果たし、路線拡大の条件も「先行」(鉄道計画の先行)、「培養」(鉄道から離れた地域から駅に利用者を送る)などの役割を持っていました。しかし民営化によりJRバスに引き継がれてから合理化が続きました。

 さらに、別のバス会社によるその並行路線が消えていく地域もあります。

〈参考:JRバス阿波本線と競合〉徳島バス:二条鴨島線

Large 20220929 01
徳島バス二条鴨島線の車両(宮武和多哉撮影)。

 この区間は国鉄バス・JRバスからの転換路線ではないものの、かつて徳島本線(現・JR徳島線)・鍛冶屋原線(廃止。板野~鍛冶屋原)に挟まれた鉄道空白地帯をカバーする「国鉄バス阿波本線」という“培養”路線があり、その並行路線にあたります。吉野川の南側を東西に結ぶ徳島本線に対し、吉野川の北岸を二条鴨島線が、その北側を鍛冶屋原線が並行していました。

 戦後、この地域では国鉄と徳島バスとの競合が激しくなり、鍛冶屋原線は徳島バスの増便とともに1972(昭和47)年に廃止。民間路線バスの攻勢に鉄道が負けるという構造の“はしり”でもありました。

 しかしその後は地域全体のバスの衰退が激しく、1999(平成11)年には今回廃止となる徳島バス路線の競合区間も含めて、JRバスは全廃。そして20年以上が経ち、徳島バスも藍住町から吉野川をこえて阿波市鴨島町に移動するルートを廃止します。

 なお今回のダイヤ改正で末端部は廃止となるものの、路線自体は「応神藍住線」と名称を変更し、新たに乗り入れる「道の駅いたの」に終点を変更します。国鉄バス時代の名残である都市間の“培養“の役割を終え、今後はこの路線の現在の最大の需要である商業施設「ゆめタウン徳島」への輸送維持に力を入れていくことになります。

【了】

【終列車がAM10時!?】日本一本数が少なかった終着駅 その後

Writer:

香川県出身。鉄道・バス・駅弁など観察対象は多岐にわたり、レンタサイクルなどの二次交通や徒歩で街をまわって交通事情を探る。路線バスで日本縦断経験あり、通算1600系統に乗車、駅弁は2000食強を実食。ご当地料理を家庭に取り入れる「再現料理人」としてテレビ番組で国民的アイドルに料理を提供したことも。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅」など。

最新記事

コメント

2件のコメント

  1. まさか二条鴨島線の廃止をフォローされるとは、驚きと感謝です。

    ただし鍛冶屋原線の廃止は、1972年です。

    • ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。

記事ランキング

  1. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開
  2. 「断固たる措置を講じる」首都高公式ブチギレ! 「公平性を著しく損なう」非常識ドライバーに“鉄槌”…一体何が?
  3. 「知らなかった!」SNSで話題に 高速道路の“2つ並んだ赤い三角コーン”、実は超重要な「ある合図」だった! NEXCO公式が投稿
  4. 神奈川県警の“バイクは自転車レーン走るな”投稿にツッコミ殺到! 「自転車にも車にもバイクにも迷惑です」…何が問題に?
  5. 史上最大の軍艦より135mもデカい!? 旧海軍「大和」を凌ぐ『エースコンバット8』の新ボス「陸上戦艦」の衝撃スペックとは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号