可動橋を渡るバス “月”へ行くバス…全国の名物路線が次々廃止へ 2022年8~9月

バスセンターから2時間弱、長距離路線よさらば【中国】

●広電バス:今吉田線(広島県)
・廃止区間:広島バスセンター~今吉田農協前

 広島バスセンターからJR可部線沿いを北上し、北広島町今吉田地区へ2時間弱かけて走る路線。広電バスは、かつて一般道を経由する山間部の長距離路線バスを数多く運行していましたが、バス路線の役割が長距離輸送から地域輸送に変わるにつれ、広島バスセンターに直行するバスは徐々に減少。今吉田線も朝の上り、夕方の下りで1往復だけとなっていましたが、今回のダイヤ改正では、その最後の1往復が廃止となります。

 北広島町は全体として過疎化が進んでいるものの、今吉田の西隣にある吉木地区では子育て世帯の定住が進み、新たにスクールバスが設定されるなど賑わいを取り戻しつつあります。

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広電バスの車両。バックは可部線の廃止区間の土居駅(宮武和多哉撮影)。

●サンデン交通:下関宇部線(山口県)
・廃止区間:宇部中央~小野田駅

 山口県内にエリアを持つサンデン交通も、広い県内で完結する長距離一般バス路線を運行しています。その1つでもある下関市内~宇部中央までのうち、今回廃止となるのは小野田市の中心部から宇部中央バス停まで。区間短縮となりますが、このルートには船木鉄道バス、宇部市交通局の路線もあるほか、もともとの運転本数の少なさもあって影響は限定的と見られます。

 ダイヤ改正後は小野田市内の終点が「おのだサンパーク」に変更され、全便が山陽小野田市民病院に乗り入れ。かつ全便が土曜・日曜も運行となるなど、小野田市の利用者にとってのメリットもあります。約2時間をかけて国道2号を走り続けていた宇部~下関という都市間連絡バスを、利用実態に合った小野田~下関間の生活路線に衣替えしたとも言えそうです。

●いわくにバス:北河内線、上迫線、上阿品線(山口県)
・廃止区間:錦橋~北河内駅など

 2014年に市営バスから事業を受け継いだ「いわくにバス」では、2022年9月末で岩国市北部の3路線を廃止、乗合タクシーに転換します。

 中でも上迫線はその車窓が変化に富んでいましいた。広島県・山口県の県境を流れる小瀬川は両岸に路線バスがあり、対岸の大竹駅~鮎谷間のバスとも待ち時間さえ気にしなければ徒歩で連絡可能。ただし片側1車線の国道186号が整備されている対岸と道路状況はあまりにも違い、終点・上迫まであと1km少々に迫りながら山脈に阻まれ、谷沿いに5km以上も迂回するという珍しい路線でした。

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コメント

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1件のコメント

  1. 宮崎交通の高鍋〜西都市の路線もなくなるとは、残念です。
     乗り鉄・乗りバス趣味の私は、だいぶ以前の学生時代に国鉄バス末期に国鉄の高鍋駅(今は当然JR)から穂北駅前(当時、国鉄妻線はすでに廃止で乗れずじまいで残念でしたが、バス停名には当時は残ってました)まで乗り、当時の国鉄バスの日肥線に乗り、村所で小休憩のあとに国鉄バス路線にさらに当時はまだ国鉄だった鉄道の湯前線の湯前駅まで乗り継いだ思い出の一部となっている路線です。