可動橋を渡るバス “月”へ行くバス…全国の名物路線が次々廃止へ 2022年8~9月

“林田バス”の名残り路線廃止【九州】

●鹿児島交通:56系統・57系統 岳線(鹿児島県)
・廃止区間:金生町~里岳~岳、金生町~常磐~岳

 鹿児島市内から市北西部の郡山を経由し、いちき串木野市の境界に近い岳地区まで、ひたすら山裾を走る路線でした。県内のバス事業者の再編前は林田バス(2008年に「いわさきバスネットワーク」に事業譲渡)の基幹路線でもあり、里岳経由・常磐経由の2系統がこれまで運行されてきましたが、今回の改正ではこの2系統がともに廃止となります。

●宮崎交通:西都バスセンター~高鍋線(宮崎県)
・廃止区間:西都バスセンタ~茶臼原~高鍋営業所

 宮崎県西都市のバスセンターから高鍋に向かうバス路線は一丁田経由、三納代経由などがありますが、そのうち茶臼原を経由し、その名の通り茶畑の中を走る1日3往復のバスが廃止となります。また宮崎交通は今回の改正で、JR日南線と並走する飫肥方面などで大幅な減便をおこなっており、新しい枠組みで発足した協議会でも今後の減便・廃止が話し合われています。

●島鉄バス:西望公園線(長崎県)
・廃止区間:口之津フェリーターミナル~西望公園
●亀の井バス;内成線(大分県)
・廃止区間:別府駅西口~内成公民館~かいがけ
(2022年9月1日廃止)

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島鉄バス西望公園行き(宮武和多哉撮影)。

 丘陵地に美しく並ぶ棚田を車窓から眺めることができた2路線が、奇しくも相次いで廃止となります。島鉄バス西望公園線は「島原の乱」の舞台となった原城を見下ろす高台にある南島原市の「谷水棚田」、そして亀の井バス内成線は約1300枚もの棚田が連なる別府市の「内成棚田」を一望できる路線として、密かに人気を博していました。

【了】

【廃止】「月まで3km」標識で有名の“月” かなりの秘境だった

Writer: 宮武和多哉(旅行・乗り物ライター)

香川県出身。鉄道・バス・駅弁など観察対象は多岐にわたり、レンタサイクルなどの二次交通や徒歩で街をまわって交通事情を探る。路線バスで日本縦断経験あり、通算1600系統に乗車、駅弁は2000食強を実食。ご当地料理を家庭に取り入れる「再現料理人」としてテレビ番組で国民的アイドルに料理を提供したことも。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅」など。

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コメント

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1件のコメント

  1. 宮崎交通の高鍋〜西都市の路線もなくなるとは、残念です。
     乗り鉄・乗りバス趣味の私は、だいぶ以前の学生時代に国鉄バス末期に国鉄の高鍋駅(今は当然JR)から穂北駅前(当時、国鉄妻線はすでに廃止で乗れずじまいで残念でしたが、バス停名には当時は残ってました)まで乗り、当時の国鉄バスの日肥線に乗り、村所で小休憩のあとに国鉄バス路線にさらに当時はまだ国鉄だった鉄道の湯前線の湯前駅まで乗り継いだ思い出の一部となっている路線です。