悲劇!車買ったら家族がゲーッ… 酔わなくて乗り心地よい車、決め手はあるのか

酔わない理想のクルマとは?

 そこで、路面からのきつい衝撃を緩和しようと、サスペンションを柔らかくしていくと、こんどは揺れそのものが大きくなってしまいます。そうなると、無駄に乗員の身体が揺れてしまい、クルマ酔いの原因となってしまいます。

 つまり、クルマ酔い防止と、快適な乗り心地の両立は、けっこう難しいのです。そのため、自動車メーカーは、ボディの剛性を高め、サスペンションやシートに工夫を凝らし、最適なバランスを追求します。

 路面からの衝撃をいなしつつ、フラットで振動が少なく、運転操作に対して素直に動く。こうしたクルマが理想となりますが、その一方で、見栄えの良さや燃費の良さなどを重視した結果、理想の乗り心地が阻害されることもあります。あちらを立てれば、こちらが立ちません。いろいろな要件がせめぎ合っているのが、自動車の性能です。

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プジョー新型308。プジョー車は「猫脚」とよばれ、サスペンションのセッティングに定評がある(画像:ステランティス)。

 とはいえ、クルマ作りの技術は年々進化しています。昭和のクルマは、現在とは比べものにならないほど原始的な乗り物でした。特に安全性能や燃費性能は今や、驚くほど向上しています。当時は、クルマ酔い防止に対する自動車メーカーの工夫や努力なんてことは、耳にしたことはありません。

 技術が進化すれば、クルマ酔いは少なくなっていくはず。未来のクルマに期待しましょう。

【了】

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Writer: 鈴木ケンイチ(モータージャーナリスト)

日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車専門誌やウェブ媒体にて新車レポートやエンジニア・インタビューなどを広く執筆。中国をはじめ、アジア各地のモーターショー取材を数多くこなしている。1966年生まれ。

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