日本一豪華な昼行特急か 1両まるまる1個室独占「伊予灘ものがたり」に乗ってみた

著名デザイナーは関わっていない

 先代は特注のメタリックシートでのラッピングでした。しかし生産が困難で、今回は塗装にしたとのこと。表面が鏡面状に磨かれ、光や景色が映りこんで色味が変化するのが印象的です。

 車両はキハ185系気動車を改造したものですが、初代のキハ47形に近づけるべく、前照灯が丸ライトになっているのが特徴です。

Large 221029 iyond 02

拡大画像

JR四国 営業部 ものがたり列車推進室長の松岡哲也さん(写真提供:坪内政美)。

 いよいよ車内へ。海側に向けて4人用テーブルとカウンター式の座席が、通路を隔てて一段高くなったところに2人用テーブルが配置されています。一部の壁は障子のように、照明を兼ねて光ります。

 座席は大きく、肘掛けが少しハの字形になっています。2代目で3両編成となり、サービスギャレーを3号車に配置したことで、座席が1割程度大きくなりました。座席幅は59cm。クッションも置かれ座り心地は良好です。ちなみに空席にぬいぐるみが置かれていましたが、これは「乗客が席を移動しないための配慮」とのこと。窓の配置と座席が合わない席もあるものの、1人当たりのスペースが広く開放感があるため気になりません。

 松岡室長は「社内で若手社員も提案し、デザイナーも自ら壁のシートを貼ったり照明器具を加工したりした」と話します。著名デザイナーが手掛けた車両と比較しても全く見劣りせず、「年間乗車率90%」も頷ける出来栄えです。

 出発後、間もなく「朝のひとときを味わう旬彩モーニング」が提供されました。食事券は3000円。松山~伊予大洲間の運賃・料金は3670円なので、合計で6670円です。全国の観光レストラン列車で1万円を超える設定が多い中、格安だと感じますが、松岡室長曰く「儲かっているというほどではないけど黒字」とのことでした。

【豪華すぎるぞ!】コスパ最高な「伊予灘ものがたり」をイッキ見!

テーマ特集「【鉄道特集】往年の名車、活躍中のエース どんな車両? 国鉄時代の思い出も」へ

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。