エンジン本体が“回転”!? 航空ファンが驚いた「元祖ロータリーエンジン」茨城で発見!

ライト兄弟が人類初の動力飛行に成功した1903年から第1次大戦までの約10年間で飛行機は大いに発展しましたが、それは航空機用エンジン発展の歴史でもありました。その間、一時だけ隆盛を誇った異形のエンジンがありました。

航空機用ロータリーエンジンの欠点と終焉

 こうして一時は世界的に普及したロータリーエンジンですが、今ではすっかり見なくなったのはなぜでしょう。実はこの方式、エンジンの軽量化や冷却に有利という点とは裏腹に、いくつかの欠点も有していたからです。それは航空機の発展にともないスピードアップが要求されたことでエンジンも回転速度が向上、結果、露呈したものでした。

 いくら軽くなったとはいえ、鉄の固まりであるエンジン本体が高速回転するとコマと同じくジャイロ効果が生まれ、反作用のトルクが発生した場合には操縦や離着陸の操作に大きな影響を及ぼすようになります。また高速回転によって発生する遠心力で部品や結合箇所には大きな負荷が掛かり、機械としても構造上の限界は100馬力程度でした。ほかにもこの遠心力によってエンジン内部の潤滑油が中心部に行き渡り難かったり、外部に漏れたり飛散しやすい現象も発生。さらに燃料消費も多い傾向にありました。

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所沢航空発祥記念館に展示される甲式一型練習機のレプリカとロータリーエンジン。国産化の際、このエンジンは東京瓦斯電気工業(後のいすゞ自動車および日野自動車)で製造された(吉川和篤撮影)。

 こうした点から、飛行機の速度が200km/hを越えるようになると、星型エンジンも固定式へと進化して、ロータリーエンジンの需要はなくなっていきます。その結果、1920年代には急速に廃れていきました。

 とはいえ、ドイツ・ミュンヘンのBMW社では、小型化した排気量640ccの星型5気筒ロータリーエンジンをフロントホイールに納めたオートバイ「メゴラ」を1920(大正9)年に試作しており、改良型のスポーツバージョンは最高速度142km/hを記録しています。しかも、1924(大正13)年にドイツで開催されたロードチャンピオンシップにおける排気量500cc以上のクラスで優勝したことなどから、約2000台が生産されたそうです。

 その流れかどうかは定かではありませんが、茨城県笠間市にある筑波海軍航空隊記念館の旧司令部庁舎1階の展示室には、近年になって作成されたノーム・エ・ローヌ社製航空機用ロータリーエンジンの教育用模型があります。実物のようにガソリンで動くわけではないものの外観は精密に作られており、緩やかですが電気モーターでエンジンの疑似回転も再現しています。

 この教育用模型の出自を聞くと、第2次世界大戦後にホンダ(本田技研工業)がフランスから購入したもので、最近になって記念館に寄贈されたとのこと。ゆえに、もしかしたら2輪車や4輪車の新型ホイール・イン・エンジンを開発する際、参考用として輸入したのかも知れません。

 このように、いまや歴史の渦に消えたといっても過言ではない航空機用のロータリーエンジンですが、筑波海軍航空隊記念館でその独特な動きを見ることで、創成期の航空機産業に思いを巡らせてみるのも良いのではないでしょうか。

【了】

【動くのはレアかも】茨城県に残る航空機用ロータリーエンジンの動作モデル

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コメント

2件のコメント

  1. 「ノーム・エ・ローヌ社は~ル・ローヌ社を買収合併してノーム・エ・ローヌ社と改名」

    どのへんが改名?

  2. ダンタリアンの書架(2011 テレビ東京)でも主人公の乗る機体のエンジンが回転するシーンが描写されていましたね。

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