「黒船襲来」2度目は白くなっていた 知られざる「白船来航」米国大艦隊が明治日本に来たワケ

江戸時代後期に日本に来航したペリーの「黒船」。それから半世紀後にアメリカ艦隊が再び日本へやってきたことはあまり知られていません。東京湾に入ってきた27隻の白い米国軍艦のワケと日本の対応についてひも解きます。

のちに日本と戦った若き海軍士官たちも来日

 訪日したアメリカ海軍の士官には、その後に起こる太平洋戦争で艦隊指揮官として日本と戦うことになる人たちがいました。

 太平洋戦争時、南東方面軍司令官時代にはガダルカナルの戦いからソロモン諸島の戦いを経て、第3艦隊司令官としてレイテ沖海戦を指揮するウィリアム・ハルゼーは、白船来航のときに海軍少尉として戦艦「カンザス」に乗り組んでいました。

 ほかにも、戦艦「オハイオ」にはミッドウェー海戦の空母部隊指揮官から第5艦隊司令官として太平洋戦争後期の戦いに重要な役割を担うレイモンド・スプルーアンスが乗っていました。

Large 20221114 01
戦艦「ミズーリ」(先代)の艦上で装甲巡洋艦「日進」の乗組員と記念写真に納まるアメリカ海軍士官(画像:アメリカ海軍)。

 なお、両名の上官としてのちに太平洋艦隊司令長官となるチェスター・ニミッツは、世界周航が始まった1907(明治40)年当時、フィリピンのアジア艦隊で駆逐艦の艦長を務めていましたが、駆逐艦を座礁させたため軍法会議にかけられて、この訪日には参加していません。しかしニミッツは2年前の1905(明治38)年に少尉候補生としてアジア艦隊で来日しており、日本艦隊の日露戦争凱旋観艦式に参加したほか、日露戦争でロシア艦隊を破り一躍名を馳せた連合艦隊司令長官の東郷平八郎と面会しています。こういった経緯があったからか、太平洋戦争後にニミッツは戦艦「三笠」の保存に尽力することになります。

 ちなみに、ハルゼーも東京で行われた歓迎会で東郷平八郎に会っていますが、命令に従っただけだと冷めた感想を残しており、スプルーアンスは特に感想を述べていません。

 歓迎ムードに包まれた「グレート・ホワイト・フリート」の裏側で、日米は来るべき対決に向かっていきます。当時その場にいた海軍士官たちは、それぞれの思いを抱きながら30年余りのちに日本との戦いで指揮を執ることになります。

【了】

【写真から読み取る】歓迎ムードだった「白船」来航 in横浜ほか

Writer:

軍事雑誌や書籍の編集。日本海軍、欧米海軍の艦艇や軍用機、戦史の記事を執筆するとともに、ニュートン・ミリタリーシリーズで、アメリカ空軍戦闘機。F-22ラプター、F-35ライトニングⅡの翻訳本がある。

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス