『トップガン』でマーヴェリックらを翻弄! A-4「スカイホーク」なぜ70年近く現役バリバリ?
軽い・安い・速いの三拍子そろった傑作機
エド・ハイネマンはSBD「ドーントレス」急降下爆撃機、A-20「ハボック」攻撃機、A-26「インベーダー」攻撃機、A-1「スカイレイダー」艦上攻撃機といった傑作機を過去に生み出してきた実績に基づき、新型機の設計コンセプトを案出します。
それは、軽量で小型の機体に大出力エンジンを搭載するというもので、海軍は新型機について総重量15t前後を予想していましたが、彼が示した新型機はなんとその半分程度、7~8tに抑えられていました。
ハイネマンは、「小型かつ軽量な機体で空力的な洗練さを追求すれば、確実に高性能が得られる」という考えを持っており、そのコンセプトに立脚して設計したからこその成果でした。こうして誕生したA-4「スカイホーク」は、小型にもかかわらず大量の兵装の搭載を実現。そして、小型ゆえに調達コストが低く抑えられただけでなく、旧式のミッドウェー級やエセックス級といった、船体サイズが小さい第2次大戦型空母でも問題なく運用できるというメリットまで有していたのです。
このように数々の長所を持っていたことから、アメリカ海軍はA-4「スカイホーク」を制式採用します。そして1956年から運用を開始すると、アメリカ以外の国々も次々と導入し、ベトナム戦争、中東戦争、フォークランド紛争など世界中で実戦運用され、きわめて信頼性が高い機体であることも実証しました。
特にベトナム戦争や中東戦争では、攻撃機にもかかわらず、敵が飛ばす旧ソ連製MiG-17戦闘機を空戦で撃墜しています。A-4は対地攻撃用の兵装を搭載していない「空荷」の状態であれば、それら戦闘機に負けないほどの高い加速性と運動性を発揮しました。その証拠に「ハイネマンズ・ホットロッド」「スクーター」「キディカー」「バンタムボンバー」「ティンカー・トイ・ボンバー」といった、その運動性や軽快性、サイズの小ささなどに由来する好意的な愛称をいくつも与えられています。
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