『トップガン』でマーヴェリックらを翻弄! A-4「スカイホーク」なぜ70年近く現役バリバリ?
1986年公開の映画『トップガン』でF-14を駆る主人公らを苦しめた仮想敵役のA-4「スカイホーク」。この機体は小型だからこそ高性能だったそう。なぜ小さいことがメリットなのか、そしてトップガン・スクールでの役割は何だったのか振り返ります。
F-14より早く生まれていまだに現役
公開されるや世界的大ヒットとなり、早くも続編の制作まで噂されるようになった映画『トップガン マーヴェリック』。その原点となった1986(昭和61)年公開の『トップガン』で、主人公らが乗るF-14「トムキャット」戦闘機に勝るとも劣らないほどの迫力ある空戦機動(コンバット・マニューバー)を行っていたのがA-4「スカイホーク」攻撃機でした。
作中でA-4は、マーヴェリックらが入校したトップガン・スクールで手合わせする教官が操る仮想敵(アグレッサー)という位置づけで用いられていましたが、実はこの機体、なんとF-14よりも20年ほど先に初飛行した機体ながら、2022年現在も現役で飛び続けているご長寿機でもあります。
ある意味、F-14「トムキャット」よりも名機といえるかもしれないA-4「スカイホーク」について、その生い立ちから見てみましょう。
そもそも実用ジェット機の第1世代が登場したのは、第2次世界大戦の後半のこと。その後、朝鮮戦争を挟んで、第2世代といわれる機体が登場するようになりました。
当時、アメリカ海軍もとうぜんながら空母に搭載するための第2世代ジェット艦上戦闘機を求めており、直線翼のマクダネルF2H「バンシー」やグラマンF9F「パンサー」に代わって、後退翼のFJ-2「フューリー」やF9F「クーガー」が登場しました。
これら艦上戦闘機が新型に随時更新されていくのに対して、対地対艦攻撃を主任務とする艦上攻撃機もジェット化が求められるようになります。そのようななか、1952(昭和27)年6月、海軍のこうした要求を受けたダグラス社では、航空機設計の鬼才といわれたエド・ハイネマンを設計主務者に据えて、新たなジェット攻撃機の開発作業を開始しました。
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