新幹線開業後も「第三セクター移管を免れた」3つの並行在来線 そのカラクリとは JRのまま残った理由
そもそも「新幹線開業→在来線を第三セクター化」はどこから来た?
1989(平成元)年から建設が始まった「整備新幹線」。これまで東北新幹線 盛岡~新青森間、北海道新幹線 新青森~新函館北斗間、北陸新幹線 高崎~金沢間、九州新幹線 博多~鹿児島中央間が開業しており、今年9月には新たに西九州新幹線も開業しました。
先述のとおり2024年春に北陸新幹線の金沢~敦賀間、さらには2030年度に北海道新幹線の新函館北斗~札幌間が延伸開業予定で、最後に残る北陸新幹線の敦賀~新大阪間も着工に向けた準備が進められています。
その「整備新幹線」とセットとなることが多い、この「並行在来線は、JRから第三セクターに移管される」という動き。そもそもなぜこのような流れになっているのか、整理していきましょう。
「並行在来線」とは整備新幹線の開業前、「在来線特急が都市間輸送を担っていた路線」のことを指します。新幹線開業をうけて在来線では、役目を終えた特急が運行を終了し、路線自体の利用者もその分だけ減少するため、採算の悪化が見込まれます。それを引き続きJRが運行するのは過度の負担になるため、経営を地元自治体が出資する第三セクターに分離するという考え方です。
なぜそこまでするのかというと、国鉄・JRにとって整備新幹線は積極的に進めたい事業ではなかったからです。東北・上越新幹線が開業した1982(昭和57)年当時も、国鉄の経営悪化を受けて整備新幹線計画は「当面の間、凍結」とされてしまいます。しかしその時は新幹線を求める地方の声が大きく、民営化直前の1987(昭和62)年に凍結が解除されました。
当時は東北・上越新幹線ですら大きな赤字を出していたことから、それよりもさらに利用者数が少なく、建設費も同等かそれ以上となる整備新幹線建設をJRに委ねては「国鉄破綻の二の舞」になりかねません。そこで国が公共事業として新幹線を建設し、JRに貸し付けるという仕組みがつくられました。そしてJRは「整備新幹線のほうを引き受ける代わりに、都市間輸送の役割を終えた並行在来線は手放す」ことが認められたのです。赤字ローカル線を引き取る自治体の負担は小さくありませんが、新幹線を求めた代償として受け入れるしかありません。
国と地方、JRそれぞれに利害があることから、整備新幹線の着工には「営業主体となるJRの同意」と「並行在来線の経営分離についての地方公共団体とJRの同意」が必要とされています。
ここでミソになってくるのが、「JRからの経営分離区間については、当該区間に関する工事実施計画の認可前に、沿線地方公共団体及びJRの同意を得て確定する」という項目です。
つまり沿線自治体の同意が前提ではありますが、JRは儲からない並行在来線を切り離すことができる一方、新幹線開業後も「必要と考える区間は手放さなくてもよい」ということになっているのです。
篠ノ井〜長野間は特急・貨物の乗り入れがあり、3セク転換した場合料金体系が複雑になることや現在の輸送密度でも赤字路線との分析があることを無視した記事。
JRが"いいとこどり"しているかのような印象を与える記事だなぁ…
乗り物ニュースはこの手の変な記事はあまりないイメージだったんだけど…
記事の平均的な質が下がったのは確かだけど、JRが他業種企業並みの金儲けに邁進してるのは事実。
真犯人は公共交通インフラへケチる国だとは思うけど、銚子電鉄等の頑張りと比べると見劣りしませんか。