あわや人類滅亡「キューバ危機」60年 核戦争はどう回避されたのか 背景に2種の米偵察機

今から60年前の1962年晩秋、世界は全面核戦争に突入する一歩手前に陥りました。後に「キューバ危機」と呼ばれるようになったこの事件に終止符を打ったのは、2種類の偵察機が持ち帰った画像情報。本事件の一連の流れを振り返ります。

アメリカの“喉元”に突き付けられた「脅威」

 U-2は西ヨーロッパを拠点に東ヨーロッパ諸国上空、トルコから飛んでソ連主要都市、台湾から離陸して中国内陸部の上空という形で、運用されています。これに対し、旧ソ連は戦闘機を発進させ何度もU-2の迎撃に挑みましたが、U-2が飛行する高度2万mまで上昇することはできませんでした。そのため、戦闘機による迎撃だけでなく地対空ミサイルも使用してU-2を撃墜する努力が続けられます。

 そしてついに、1960(昭和35)年5月1日、ソ連上空を飛行していたフランシス・ゲーリー・パワーズ大尉操縦のU-2が地対空ミサイルによって初めて撃墜されました。パワーズ大尉は命からがら脱出、最終的にはソ連当局に拘束されたことで、アメリカによる偵察活動が明るみになりましたが、U-2による偵察飛行は続行されました。

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アメリカ海軍のRF-8G戦術偵察機(細谷泰正撮影)。

 そのようななか、1962(昭和37)年当時、アメリカの隣国でありながら敵対していたキューバに同年7月ごろからソ連の貨物船が出入りする回数が急増します。これを不審な動きと認識したアメリカは、洋上でソ連船を対象にした偵察活動を強化するようになりました。

 そうして得られた情報と当時の国際情勢、現地からの情報などが分析された結果、キューバ南東で疑わしい軍備増強活動があるとの結論に達します。報告を受けた当時のケネディ大統領は当該地域上空をU-2が偵察飛行することを許可しました。この命により、1962(昭和37)年10月13日深夜、カリフォルニア州の空軍基地を離陸したU-2はキューバ上空を飛行して地上の様子を撮影。CIAによる解析の結果、アメリカ政府はキューバにソ連製中距離弾道ミサイルとイリューシンIl-28軽爆撃機が配備されているのを確認するに至ったのです。

 ただ、U-2が持ち帰った写真は、高高度からのものだったため、キューバに弾道ミサイルが配置されていることは把握できても、その数や形式、発射基地の建設状態など、詳細については、より解像度の高い写真で判断する必要がありました。そこで、アメリカ政府は低高度を高速で飛行可能な戦術偵察機を当該地域に飛ばすことを決めます。

【写真】主翼に着氷跡も 空飛ぶU-2偵察機ほか

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