あわや人類滅亡「キューバ危機」60年 核戦争はどう回避されたのか 背景に2種の米偵察機

今から60年前の1962年晩秋、世界は全面核戦争に突入する一歩手前に陥りました。後に「キューバ危機」と呼ばれるようになったこの事件に終止符を打ったのは、2種類の偵察機が持ち帰った画像情報。本事件の一連の流れを振り返ります。

カメラの信頼性問題で海軍機に白羽の矢

 当時、アメリカ空軍では戦闘機転用の偵察機として、RF-101Aを運用していました。この機体は元々、戦略爆撃機の護衛用として開発されたF-101A「ブードゥー」戦闘機がベースであるため、航続距離は長く超音速性能も兼ね備えるなど、飛行性能こそ申し分なかったものの、搭載するカメラの信頼性に問題を抱えていました。

 一方、海軍と海兵隊ではボートF-8戦闘機の派生型であるRF-8Aを偵察機として装備していました。こちらは飛行性能、カメラの信頼性ともに問題ないため、キューバ上空の低空高速飛行を行う偵察ミッションはRF-8Aを起用することになりました。

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アメリカ海軍のRF-8G戦術偵察機(細谷泰正撮影)。

「ブルームーン」と命名されたこの偵察ミッションは、アメリカ海軍第62写真偵察飛行隊(VFP-62)と同海兵隊第2混成飛行隊(VMCJ-2)で構成された合同チームが、フロリダ州のセシル・フィールド海軍航空基地を拠点に行うこととなります。機体整備をセシル・フィールド海軍航空基地で行い、整備を終えたRF-8Aはキューバにより近いキーウエスト海軍航空基地へ前進し、そこで待機しました。

 なお、作戦ではRF-8Aは発進命令を受けると、キューバ上空を飛行したのち、フロリダ州のジャクソンビル海軍航空基地へと着陸。そこで撮影されたフィルムは直ちに現像されるとワシントンDCに送られる手筈となっていました。一方、フィルムを届け終わった機体は元の拠点であるセシル・フィールド海軍航空基地へと戻り、そこで整備を受けた後、再びキーウエスト海軍航空基地へと前進し、そこで待機するという一連のルーティンが組まれました。

 こうして準備を整えた偵察ミッション「ブルームーン」は、10月23日から実行に移されます。RF-8Aは2機一組(ワンペア)で飛行し、場合によっては3ペアが同時に6か所の目標を偵察するようなことも行われました。

 目標上空は高度1000フィート(約300m)を480ノット(約890km/h、マッハ0.73)で飛行しました。キューバ上空は対空砲火を避けるため目標付近に到達するまでは地表すれすれの高度200フィート(約60m)を高速で飛行し、目標通過後は再び超低空で離脱する方法が取られましたが、キューバ側の対空砲火で被弾する機体も出るほどの危険な任務でした。

【写真】主翼に着氷跡も 空飛ぶU-2偵察機ほか

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