世界初のステルス機? 万能機「モスキート」初飛行 -1940.11.25 生産は家具職人が担当

飛ばしてみたら戦闘機よりも速い!

 さらに、搭載されているエンジンが1710馬力のマーリンエンジン2基というハイパワーであったことがプラスに働きました。機体重量が軽量だったことにより最大速度667.9km/hという高速性を獲得したのです。このスピードは、当時バトル・オブ・ブリテンに参加していたイギリス空軍の最新鋭単発戦闘機だった「スピットファイア」Mark Iおよび同Mark IIを上回る驚異的なものでした。

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夜間飛行を行う「モスキート」(画像:イギリス空軍)

 この高速性を活かせば、爆撃機以外にも使えるということになり、1941(昭和16)年5月には戦闘機タイプの試作機が完成します。この機体は7.7mm機銃4丁と20mm機関砲4門を機首に集中して装備するという大火力を誇りました。同時期には夜間戦闘機型も開発され、こちらのタイプは機上レーダーを機首に搭載していました。これら戦闘機型はおもにイギリス本土の防空にあたり、ドイツ軍機600機以上と、飛来してくる多数のV1飛行爆弾(ミサイル)を撃墜したといわれています。

 偵察機としても、同機は高性能を発揮しました。戦闘機以上の高速で敵地上空に侵入し、偵察後は戦闘機を振り切って離脱するという戦法でドイツ軍や日本軍を悩ませます。ヨーロッパでは、大戦末期にドイツ空軍がメッサーシュミットMe262ジェット戦闘機を登場させるとその高速優位性は失われたものの、日本軍相手のビルマ戦線では、その優位性を最後まで維持しました。

 同機は各タイプ合わせて7700機以上が生産され、イギリス軍の他にもアメリカ陸軍航空軍(後のアメリカ空軍)や、戦後はベルギー、ノルウェー、イスラエルなどでも使用されました。

【了】

【蚊っぽい?】「モスキート」の飛ぶ姿ほか

Writer: 斎藤雅道(ライター/編集者)

ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

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コメント

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2件のコメント

  1. × マリーンエンジン
    〇 マーリンエンジン

    • ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。