飛行機で台風の目へ! 始動7年目 台風の航空機観測プロジェクト 危険の先で何を観る?

大昔の文書にも記録が見られる「台風」は、一方でその詳細な調査はまだまだ進んでいないのが現状といいます。これを推し進めるべく、飛行機で直接的に観測するプロジェクトが進行中で、その概要や現状などについて話を聞きました。

一般的なビジネスジェットで台風に突入! それゆえに苦労も

 そして坪木教授はじめ観測チームの乗った飛行機を、暴風雨のなか台風へと飛ばすのが、北原機長はじめDASのパイロットの仕事です。

 2022年現在その観測飛行には、米ガルフストリーム・エアロスペース社の双発ビジネスジェット機「ガルフストリーム IV」が使用されています。筆者(斎藤雅道:ライター/編集者)が話を聞いて驚いたのは、調査機材などを積む以外は機体のカスタムなどをしていなということ。つまり「ガワ」は民間機と同じということです。

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DASの「ガルフストリーム IV」(画像:DAS)。

「台風のまわりや中心を調査するときは、壁雲観測のために何回も台風に出たり入ったりするケースもあります。事前の飛行プランの構築が大事ですね。もちろん操縦の方も、常に不測の事態を予想しつつこなさなければいけません。安全が確認されない限りは、状況を見て調査を中止とする決断も必要です」(北原機長)

 台風に突入する技術は、マニュアルがあるようなものではなく、これまで関わってきたパイロットが情報を出し合い、最適な飛行の方法を模索してきた経験の蓄積なのだそうです。

 なお、2019年に使用機材が「ガルフストリーム II」から「IV」に変わりました。新しい飛行機になり便利になったかと思いきや、観測飛行という特殊な環境ということもあり、一概にそうともいえないようです。

「IVは飛行時間が延び、オートスロットルなど飛行機側で制御してくれることが増えました。ビジネスジェットとして快適さを追求してきた結果ですが、環境が異常な現場に行く観測飛行では、機械側が『4万3000フィートで摂氏マイナス40度とか45度って変な数字が出ている』といった警告をするなど、人間の無茶による異常な数値に混乱してしまうことがあります。その場合、オートスロットルが止まるなどするので結局、人力でやる部分が増えるなんてこともありますね。IIはグラマン製ということで軍用機みたいな無骨さがあったのですが、IVはもっと上品にまとまっている感じです。ただ、強度に関してはIVでも申し分ないので、IIのときと同じ観測飛行が可能です」(北原機長)

 アメリカのハリケーンハンターは、P-3やC-130など元々、軍用機がルーツの機体のなかでも頑丈といわれているものを改造し使用するそうですので、「ガルフストリーム IV」で挑むのはさらに大変そうですね。

【画像】台風のド真ん中「目」の内側からの眺めや日毎の様子の変化をたっぷりと

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