世界で売れる韓国K9自走砲“究極の自動化計画”とは ワンオペ砲兵隊ってマジ? 現地で聞いた裏話

韓国が独自開発したK9自走155mm榴弾砲は、誕生から四半世紀が経ち性能向上の計画も進行中です。ただ、先に見据えるのは乗員ひとりで1個砲班を動かす究極の「ワンマンオペレーション」だとか。現地で話を聞いてきました。

ご長寿兵器になる可能性も秘めたK9

 さまざまな状況下で素早く臨機応変な対応をするには、AIなどの自動化ではいまだ能力不足であり、どうしても人間による判断と決定が求められます。MUM-Tでは、戦場において有人プラットフォームが中心となり、それに無人プラットフォームが付き従い連携することで、兵士の人員削減と攻撃を受けた時の人員的被害を減らすことを狙っています。

 K9A2やK9A3は、まだ兵器では実用化されていない技術が用いられており、車両よりもそれら技術の研究開発を先に行う必要があるでしょう。メーカー側でもこれが技術的な挑戦であることは理解しているようで、K9A2だけ捉えても配備に至るまでには最大で8年程度かかると考慮しているとの答えでした。

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2022年10月の「DX KOREA」で、ハンファ・ディフェンス(当時)のブースに展示されていたK9自走砲とK10弾薬運搬車の模型(布留川 司撮影)。

 兵器開発において計画だけで終わったものは数多くあり、このK9自走砲のアップグレード型も実際に生産にこぎつける保証はどこにもありません。しかし、前述したようにK9自走砲自体は海外輸出が好調であることから、今も生産が続く現在進行形の兵器と形容できます。そのため、ゼロから開発しなければならない新型と比べて、成熟した技術者や組織が開発にあたることができ、その計画の現実性は他の兵器よりも高いともいえるでしょう。

 また、これまでの輸出によってK9とその派生型を運用する軍は世界中に広がっているため、それらの国が将来、アップグレード型を導入する可能性は無きにしもあらずです。つまり、9か国で運用されている自走砲は、それ自体が巨大な市場を形成しているといえ、それらを見込んでメーカーは多くの資金や人員を投入することが可能だと推測できます。

 自国の韓国陸軍や外国への輸出で一定の成功を収めているK9自走砲は、これまで紹介したアップグレード型の開発が順調に進めば、今後数十年に渡って世界で運用される長寿兵器になる可能性を秘めているといえるでしょう。

【了】

【「Unmaned」って書いてある!】現地で公開された無人タイプ「K9A3」のイラスト

Writer:

雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info

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コメント

1件のコメント

  1. 少数の有人と多数の無人のミックスは今盛んなコンセプトだが、有人がやられたら他の全ての無人が無駄になるのでは?その時はリモートでやりますとか言うなら最初からそうすればいい話だし…人間だけだったら次点の最先任者が引き継ぐわけだけど…すぐに廃れそうな過渡期のアイディアって感じ

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