核ロケットで「来るなら来い」アメリカ守った究極の迎撃機F-106 市民生活の真横で
究極の戦闘機を追求したら別機が爆誕!
最初に造られたF-102Aでは、アメリカ空軍が定めた、ひとつの指針に沿って設計が進められました。まず、火器管制装置の開発を先に進め、その火器管制装置の搭載を前提に機体を設計するという方針です。これに沿って、火器管制装置にはヒューズ社の「MC-3」が採用され、それを搭載する機体としてコンベア社の無尾翼デルタ翼案が採用されます。
ただ、この機体はF-102Aとして完成したものの、飛行性能は速度、上昇力ともに計画値に届きませんでした。そこで取り入れられたのが、当時発見されて間もない「エリアルール」でした。これは機体の断面積の変化をなだらかにすることで音速突破時の抵抗を小さくするというもの。この法則を適用するため、胴体の形状を大きく変更するなどの強引な設計変更が行われ、F-102Aの量産が始まりました。
そしてF-102Aの生産、配備と並行して、さっそく発展型F-102Bの設計がスタートします。後発のF-102Bは最初からエリアルールを採用し、エンジンは強力なJ75に変更されることになりました。J75エンジンは空気の流量を多くするために形状も大きくなっていたため、胴体の延長、翼面積の拡大、新しい空気取り入れ口など変更点は機体全体に及びました。
ここまで改良を加えると、近似する外観とはいえ、もはや別機といえます。そのため、F-106という新しい型式が付与されたのです。加えてF-106にとって、さらに大きな変化は自動化された防空システムへの対応でした。
敵爆撃機の侵入を阻止するには、なるべく早い段階で発見し迎撃機の発進命令を出す必要があります。それと同時に敵機の進路を計算し、最適な迎撃地点を割り出して迎撃機をそこへ誘導することが必要です。全天候下で確実な迎撃を目指したアメリカ空軍では、早期警戒レーダー網、飛行経路の予測、最適要撃地点の算出、戦闘機の誘導に関する全てをコンピューター化した統合システムを構築しました。
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