核ロケットで「来るなら来い」アメリカ守った究極の迎撃機F-106 市民生活の真横で

東西冷戦期、アメリカ本土で24時間、即応待機していた戦闘機F-106「デルタダート」。「究極の迎撃機」ともいわれる機体ですが、アメリカ以外では運用されませんでした。それにも理由があります。

本土防空システムの1端末として

 完成した巨大なシステムは「SAGE」(Semi-automatic ground environment:半自動式防空管制組織)と呼ばれます。F-106「デルタダート」は、いうなればこのシステムの一部として開発されたのです。SAGEは、当時としては極めて先進的な管制・誘導システムで、F-106に搭載されたシステムのオンライン端末がオートパイロットと連動していました。そのため、パイロットは要撃地点まで自動操縦で到達することが可能でした。

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ウェポンベイからAIR-2「ジニー」空対空核ロケット弾を発射するF-106「デルタダート」戦闘機(画像:アメリカ空軍)。

 なお当時の全天候戦闘機では、パイロットの他にレーダー操作要員を搭乗させた2人乗りも存在しましたが、F-102とF-106はともに1人のパイロットがレーダー操作も行いました。そのため、操縦しながらレーダーの操作を容易に行うために採用されたのが特殊な形状の操縦桿です。両機の操縦桿は上端がU字型の特殊な形状をしています。

 U字の左側にはレーダーのセレクターなどのスイッチがあり、右側はオートパイロットなどの操縦系の操作スイッチが取り付けられていて、パイロットは操縦桿から手を放すことなくいろいろな操作を行うことが可能になっていました。これは現代の戦闘機では一般化しているHOTAS(Hands On Throttle And Stick)の概念を先取りしたデザインでした。

 敵機を撃墜するためにF-106が装備した主武装は核弾頭搭載のAIR-2「ジニー」ロケット弾です。核爆弾を搭載し編隊を組んで飛来して来るソ連の爆撃機の編隊ごと核弾頭の力で破壊することを目指していました。この「ジニー」核ロケット弾の携行能力は前型のF-102「デルタダガー」にはなかったため、その点を見ても最初からF-106配備までのツナギの存在であったといえるでしょう。なおF-106「デルタダート」では、「ジニー」核ロケット弾以外にもAIM-4「ファルコン」空対空ミサイルの運用が可能でした。

【U字型操縦桿も】現役時代のF-106「デルタダート」をイッキ見! コックピットも

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